NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

ボードゲームとカードゲームが素晴らしいバランスでミックスされています。
バランス調整とバグ取りをこれでもかというぐらい丁寧にやった執念が感じられ、買って半月経ちますが対戦環境など非常に快適です。

今回の調整は全体的に「新規参入者に優しく」なっていると思います。
今までのカルドセプトは敷居が高く、合わない人には見向きもされず、合う人には最高のゲームといわれるようなマニアックなソフトでした。
それが今回は地変やアンサモンがレベル５に打てなかったり、テンペストやアースシェイカーが条件付きになったりと、一枚で致命的な打撃を受けるようなカードが軒並み弱体化しています。これによりゲームの順位変動や完全脱落は減ったと思いますが、同時にトップを止めることが難しくなっています。
DS用バランス調整といった感じでしょうか。これはこれで見事です。

対戦中は相手が画面をスクロールする様子まで完全に同期しているので、相手の狙いや迷いも手にとるようにわかります。意志伝達の手段としてアイコンチャットを採用していますが、簡単でわかりやすくメッセージを伝えることができ、またネットゲームの中で安易に悪意のあるメッセージを送らせない良いシステムだと思います。もう少し種類が欲しいですが。

どんなブックにも必ず入る強すぎる壊れカードもなく、メタゲームの流れを破壊しない調整になっていると思います。
ビギナークラスへの入室制限を緩めに改定するなど、ネットの状況を見て、ユーザーのニーズに迅速に対応している姿も非常に安心できます。

カードが集っていたり、長くやれば強いわけでなく、うまい人が強いのがカルドセプトのいいところでしょう。いつから始めてもセンスさえあればすぐ上達しますし、うまい人のプレイを見ればさらに加速度的に上達します。
最初は何をしていいかわからないかもしれませんが、うまくなるほどに面白さが感じられるようになるゲームでしょう。

BAD/REQUEST

wifiでランキングでないノーマルの対戦を選ぶと、4人対戦を希望しても2人で試合が始まることがあります。
望んでいない対戦でも切断すれば自分のお天気マークが曇ってしまいますから、最後まで付き合うしかありません。
また、マップの希望も自分が選んだ場所と違うところが採用される場合があり、これも困ります。人を分散させないためには仕方がないのかもしれませんが･･･
ただし、ランキング戦には上記のような不満はまったくありません。

システムとしては、リプレイ機能がないのが非常に残念です。
それと、セプターポイントについては、対人戦とCPU戦で完全に分けるべきだったと感じます。カードを集めすぎてビギナークラスに入れない人がいるからです。

カード内容については、初代のリメイクなので当たり前ですが、セカンドエキスパンションと比べて100枚ほど少ない分、ブック構築の幅が狭くなっています。
特に護符関連のカードがプレッシャーとグレイスぐらいしかなく、戦略の幅を狭めていると思います。
ただこれは、DSでこれだけのものが作れると証明した上で、次回作にセカンドエキスパンション並みのボリュームを持ってきてくれる布石だと信じたいです。

COMMENT

カルドセプトDSの最大のセールスポイントは、「対人戦が誰でも気軽にできる」これにつきると思います。
対人戦さえできれば、カルドセプトシリーズは一生ものだと思います。
流行のブックを対策してブックを作ったり、戦闘シーンでの心理戦で駆け引きを楽しんだり、珍しいブックやうまい人のプレイを見て感動したり。たとえ同じようなブックでも使い手によって全く違った試合を展開してくれます。1人1人が試行錯誤したブックで対戦するからこそ飽きないのでしょう。

このゲームは上達すれば上達するほど、緻密な計算やプレイングの柔軟性が問われるようになってきます。対象年齢が12歳以上となっていますが、実際には麻雀や将棋が好きなような大人の方が、より深く長く楽しめるゲームでしょう。
点数については、リメイクなのでオリジナリティ・グラフィック・音楽については普通とさせていただいています。難易度の難しいは、まったくのカルド初心者がストーリーをクリアする過程で感じる思いを想定しています。