NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

「手軽なライトノベル的RPG」というコンセプトを軸に、全てが丁寧に造りこまれている。「1日30分」少しずつ進めて楽しめる、これまであったようで無かった、ある意味で斬新なゲーム。

DSの2画面をフルに活かし、敵も味方も上へ下へとめまぐるしく動くバトルは見ていて爽快。コンボが決まり敵がふっとぶと快感。またダメージ補正（加算）も大きいので戦略的にも意味がある。かといって面倒になったらオート戦闘に任せられるお気楽仕様（ボス戦以外はなんとかなる）また、攻撃エフェクトは派手だが素早く終わるのでテンポがいい。

ゲームバランス調整が絶妙。本編とクエスト（ギルド依頼）をまんべんなくこなして行けば、ほぼ詰まることなく、かつある程度の緊張感もありつつ進められる。一方で適当にかいつまんで進めても、多少厳しいがなんとかなる。

勇者が旅立ち、魔王を倒して世界を救う、という王道なストーリー。それでいて多少はどんでん返しも用意されている。基本的には淡々と話がすすむが、最終盤の盛り上がりはなかなかのもの。また個性的なキャラクター達のサイドストーリーも横道（クエスト）とエピローグ、という形でしっかり掘り下げられている。

キャラクター他デザインが可愛い。この絵柄には賛否ありそうだが「ライトノベル的」という点では非常にマッチしていると思う。世界観とも整合がとれている。

音楽は心に残る程ではないが、ツボを押さえて、ゲームの雰囲気をきちんと盛り上げてくれる。

自分で移動できるフィールドマップはないが、いける街、ダンジョン等が多く、また地域毎の特色がしっかりしているので、実際に世界を旅している気分にしてくれる。

戦闘から逃走しても、それまでに倒した分の経験地はきちんと入る。

ダンジョンは歩いただけ記録されるオートマッピングで迷わない。ボス戦の前には必ず回復＆セーブがあり、かつ警告もしてくれる。

宿屋に泊まると料理まで表示される（しかも美味しそう）

常に行くべき場所はNEXTと表示されるのでストーリー進行に迷うことが無い。

ゲームを起動したとき、企業ロゴが出ないで即タイトル画面になる潔さ。

マー君が可愛い。

おっぱい（笑）

BAD/REQUEST

良い点の裏返しだが、ストーリーはどこまで行っても「ライトノベル」。壮大なヒロイックファンタジーを期待すると肩透かしをくう。加えて演出が「紙芝居」。一枚絵を下手に動かすから余計に紙芝居（人形劇）じみてきて、感動的な筈のシーンもいまひとつ盛り上がらない。

戦闘に戦略性がとぼしい。同時に装備できるスキルが少く、加えて、状態異常やステータスUP、属性の効果が弱い。結果、使うスキルはいつも同じで、力押しの戦い方になってしまう。

各キャラに用意されている必殺技「覚醒星技」の発動条件が厳しすぎて実際の戦闘では役に立たない。

キャラの走る速度が微妙に遅い。また、表示キャラがいつもティオ固定なのは残念。SELECT等で切替えられるとよかった。

買った武器・防具・星技をその場で装備できないのが面倒。

セーブがどこでも出来ないのは携帯ゲームとしては少し不便。

ダンジョンでは現在居るフロア数を表示して欲しかった。オートマップは便利だが微妙に性能が悪く、無駄に歩かされる。

ギルドマスターをはじめ、各地のショップ店員が全員同じ顔なのは流石に変。また、依頼を受けたギルドでなくても報酬を受け取れるのもなんか変。あんたら世界規模チェーン店ですかと。

選択肢の設定が意地悪。普通答えそうも無い回答をあえて選ばないと経験地が貰えなかったりする。

「盗む」の成功率が結構低くてしんどい。

マー君の空気化。

おっぱいが揺れない（笑）

COMMENT

非常に丁寧に作られた古典的RPGの秀作。これで、戦闘にもっと戦略性があれば「神ゲー」だったかも。

しかし開発者が「『簡単にクリアしちゃったぜ！』と思われたなら本望です。」とコメントしているくらいだから、これはこれで良いのかもしれない。

「最近RPGをプレイしていないなぁ」「プレイする時間がなくて…」「RPGは難しくて…」という方に是非おすすしたい一本。短時間プレイでゆっくりまったり進めるのが、このゲームの醍醐味だと思います。

是非、この方向性で新作（もしくは続編）RPGを出して欲しいです。