NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

・音楽
シリーズの中でも優れた曲が多いため（「地平の彼方へ」「戦火を交えて」「結婚ワルツ」など）、その事に対しての得点ということで。流石にＰＳ２に比べると音質は劣るが…
・ストーリーとか全般
基本的にはＰＳ２版のベタ移植なので、ＰＳ２版をプレイし損ねた人やＳＦＣ版をプレイしただけの人でも安心してプレイできる。
またＰＳ２版では演出の都合上削除された「時の砂」が手に入ったり、もう一人結婚相手（彼女についての論評は後述）が加わったりしてるため、違った感覚でプレイできるだろう。
グラフィック・演出もＤＳのスペックなりに健闘していたし（少なくともオリジナルがＳＦＣ初期後半の作品ということを考えれば、演出面では大幅にパワーアップしてることとなるが）。

BAD/REQUEST

・すれ違い通信について
ＤＳ版ドラクエ４の頃から思っていたが、無理矢理に入れる必要があるのか？と疑問に思った。
今回はすれ違い通信でプレイヤーオリジナルの名産品を贈れる、という触れ込みだがそのことに移民の町の成長を通常より早くできるようなメリットも無く、ＤＳ版ドラクエ４でも街中でもすれ違い通信が全然できない、という批難が多かったのに何故このシステムを入れるのか理解できないのは確かだ。
そんな意味を成さない追加要素を入れるよりは、もう１つくらい隠しダンジョンを作るなりしたほうがＰＳ２版をプレイしたユーザーの期待に応えられたのではないか？
・新キャラ・デボラのキャラクターについて
ＤＳ版では「３人目の結婚相手」としてデボラというキャラクターが新たに登場するが、その性格のきつさや結婚相手としてのアピール力不足などが違和感を生じまくり、まるで移植されたエロゲーの取ってつけたような追加ヒロインを攻略しているような心境に駆られたことも確かだ。
まずは性格のきつさについて。とにかく高飛車で上から目線の発言が多く、また主人公に対してもそのきつさを遺憾なく発揮する（例えば「しもべ」呼ばわりしたり）点でも不快な部分に映った。しかも話が進んでも全然その性格は改善の兆しすら見えないし。
ただでさえドラクエ史上最もハードな人生を送った（母親を生まれてまもなく攫われ、父親と共に祖国を捨て旅に出る、父親を目の前で殺されその後１０年間奴隷生活）主人公の背景を知っていればそんな空気の読めない発言はできないだろうし…
また結婚相手としてのアピール力不足にしても、サラボナでのリング探しのイベントの最中でも興味の無い姿勢を取っているためフローラ以上に魅力を知るシーンは少ないし、いざ結婚相手を選ぶ段階でしゃしゃり出られても（ギリギリまで無関心だったこともあり）唐突過ぎてプレイヤーを置いてけぼりにしている感は否めない。
性格をもう少しマイルドにして、ポートセルミあたりから正体を隠して主人公と一緒に旅をする、という設定にでもしたほうがもう少し花嫁候補としてのアピールができたのではなかろうか？
・快適さなど
モンスターボックスがモンスター図鑑に変わっても、ＤＳ版ＤＱ４のようにフィールド以外の場所で開けなかったり、移動中のカーソル履歴が使うたびにリセット（特にルーラや口笛など、使う頻度の高い呪文でこれは辛い）されたりとＤＳ版ＤＱ４の欠点が改善されていなかったのも快適とは言いがたかった。

COMMENT

（総評）
ＤＳのスペックなりに健闘している部分も多いが、新規キャラの話へのそぐわなさやＤＳ版ＤＱ４で批判された部分が改善されていない所など、問題も多かったのは確かだ。
ＰＳ２版を所持している方なら急いでプレイするよりは、もうしばらく待って中古で値崩れした頃にプレイしても遅くないだろう。