NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

※オリジナリティ
各シナリオは時系列順ではなく、お互いのシナリオのパラレルワールドです。
「惨劇」を複数の視点から眺めることで、プレイヤーは「惨劇」の真相に近づいていきます。
このような構成になっているアドベンチャーゲームに出会ったのは初めてで、非常に斬新に感じました。

シナリオ
学園ドラマのような穏やかなシーンから始まり、ある日を境に崩壊していく平穏な日常。
不可解な事件の発生や信頼していた仲間の凶行、裏切り、祟り…。
と、猟奇殺人などの単なるグロテスクさだけでなく、主人公の精神面をも追い詰める、本格的なサスペンスです。

グラフィックは普通といった感じです。文字のフォントなどは見やすいのではないでしょうか？

BGMもそれなりにいい感じです。雰囲気出てます。
ボイスが一部のみ、となっていますが、いつもボイスをOFFにしてプレイしてる私には特に気になりませんでした。

シナリオチャート、バックログ、中断セーブ（50ファイル）など、アドベンチャーゲームとして当たり前の機能もちゃんと搭載されています。

BAD/REQUEST

シナリオの分岐が面倒です。
聞いたところによると、原作は分岐がない完全な「サウンドノベル」だそうですね。
それを「アドベンチャーゲーム」にするために選択肢を加えたらしいです。
しかし、この選択肢が結構面倒です。
細かな展開が変わるだけならいいですが、この「複数の選択肢の組み合わせ」でどのシナリオに分岐するのか決まります。
このため、1週目は狙い通りのシナリオに分岐させるのに非常に苦労しました。
「一つの選択肢」で分岐が決定するならまだよかったのですが…。

（二週目以降はシナリオチャートで分岐が自由に制御できるので、思い通りのシナリオに向かえます。）

COMMENT

まず断っておきますが、私はこのシリーズを始めてプレイしました。
なので、原作やアニメ・PS2版をご存知の方とは意見の相違があるかもしれません。
オリジナリティに5点をつけたのもこのためです。
原作経験者からすればこの作品はただの移植作かも知れませんが、私にとっては非常に斬新な作品です。

全体的なまとまりは非常によいのではないかと思います。
バックログ・シナリオチャート等のシステム面は、他のDSのアドベンチャーゲームにも見習ってもらいたいくらいです。
携帯機ということで、通勤時にも遊べる事も良いです。

経験者さんには「移植作でこの価格は高い」とおっしゃっている方もおられます。
たしかに、PC版・PS2版とDS版の1話あたりの価格を比べれば高いですね。
しかし、初めてプレイした私は特に高いとは感じませんでした。
むしろ、テキストやシナリオの量で見れば、他のDSのアドベンチャーゲームより割安かと思います。

それと、未経験者には「第一巻」というタイトルで戸惑っている方もいるかもしれませんが、別にシナリオが途中で「つづく」になるわけではありませんのでご安心を。
どのシナリオもちゃんと一応の結末を迎えます。たしかに真犯人や真の目的などは現時点では明かされませんが、実行犯や"犯行目的の一部"などは明らかになります。

長々と書きましたが、「このシリーズは初めて、なおかつサスペンスものが好き」という方ならお勧めできます。
逆に、PC版やPS2版をお持ちの方に対しては…私がどちらも持っていないので、特に意見はできませんね…。