NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

　なんでもわがままで手に入れてきたというよくあるお姫様が、
イケメンな王子様に告白し、初めてわがままが通らなかったので、
運命の人！何としてでも振り向かせるわ！！と旅に出る物語です。


■オリジナリティ
　わがままに焦点を当てたシステム・シナリオ作り。
　わがままで世界を救うと銘打つだけあって、シナリオ的にも、
　ゲームの進行的にも常にワガママを発揮します。
　ゲーム部分だけで見れば、普通のＲＰＧです。
　ロマサガではＷＰは技ポイントとかなのでしょうが、
　このゲームではＷＰはワガママポイントです。

■グラフィックス
　綺麗とは言えませんが、主人公の喜んでる顔とムカついてる顔が本当に可愛いので、
　半ばそのためにやってる部分もあったので好ポイントつけました。
　３Ｄが殆どですが、特に生かした部分があるようなゲームではありません。
　ただまぁＤＳ全般、真ん中に仕切りのある上下画面表示は、
　どのゲームをやっても、とても好きにはなれませんね。
　これはこのゲームが悪いわけじゃないですが。

■音楽
　一昔前の、ＲＰＧってこういうの！という音楽がしっかり作られてます。
　また主人公が戦闘や町に感じてる意識ってこういう感じなんだろうなと思えるような、
　そういう音楽に仕上がっているので、好感が持てます。
　まぁ、あんたは私の経験値よ！とか普通に口にする娘ですしね。

■熱中度
　延々同じことをやらされるだけですが、その過程の漫才が溜まりません。
　ボスもサブキャラも、王子様を除き、皆全て振りまわされます。
　その内容にハマれるかどうかで、プレイ時間が大きく変わります。
　また仲間のスライムが敵に部分的に化ける（正確には真似る）仕様で、
　自分の思うようなステータスに調整するのが楽しいです。
　…実際にいたら、非情にキモい外見に仕上がってるはずなんですが！
　結局このゲームは、メーカーにとって男の子向けなのか、女の子向けなのか。
　それが知りたい。スライムは無いとか思いますが、アレが固定ペットなら、
　このゲームではきっと何の役にも立たなかっただろうなぁ…。

■満足感
　絵だけで買ったので、これほど楽しめるとは思っていませんでした。
　圧倒的に満足です。何より最近は満足と言えるような、
　ロクなＲＰＧが一つもなかったので、とても助っています。
　クエストの一覧等見た限り、まだまだ続きそうです。

■快適さ
　無意味な凝ったグラフィックもありませんし、エフェクトもボタンでキャンセルでき、
　またわがままで敵のＬＶを上げたり、獲得経験値・獲得金額を増やせるので、
　とても快適です。物語を楽しみたいだけの人は最低限の戦闘で行けますし、
　ウチみたいに暇な人間は、そのフィールドの雑魚を全て駆逐してから先に進んだりと、
　プレイスタイルが個々個人で分かれられるゲームです。
　ただ進みたい人はたんたんとクエストをこなし
　（それだけなら１クエスト２０分もいらない）、
　ヒロインのわがままに付き合いたいなら、全て駆逐していくとよいでしょう。
　先に進みたいのに、駆逐しないと気がすまない人には苦痛です。
　ウチはコレなんですけどね。↑

■難易度
　基本的に町から町へと行き、そのエリアの最後にダンジョンがあるような
　簡易的な作りがほとんどになっているので、とくに高くないです。
　慣れてくるとわがままで敵のＬＶを上げ、戦闘開始時にわがままで先制、
　魔法で一層も可能になります。ただこの魔法もＬＶで覚えるわけではなく、
　何回か直接くらって、次ＬＶがあがったときに覚えるという仕様なので、
　真面目にやった分だけ、地味に反映されていく以外と努力的なゲームです。
　食事でステータスをブーストしていけるので、パワー娘や、
　インテリ娘にするのもプレイヤー次第です。
　（どんなにINTをあげても、普段の会話はアフォです）

BAD/REQUEST

■オリジナリティ
　どこまでも普通のＲＰＧ。お姫様のノリに合わせて目の色を変えれば名作、
　お姫様の文言に目もくれず、理屈的な部分に目を見張れば一般作。
　それでも良作に分類されるだけの面白さがありますが、
　本当に地味でストイックなゲームなので、そこらで分かれます。
　できれば、もう少し口調をお姫様方向でやってほしかったです。
　わがまま技は台詞で構成されているので、少しお姫様には弱いかな？
　という語調です。

■グラフィックス
　最近よくある、まったく意味のない、世間では何故か綺麗とか言われる、
　ただ目が細かいだけや、美しく？してるらしいグラフィックが嫌いな人間なので、
　当方的には多いにGOODなのですが、綺麗なグラフィックでないと我慢できないような方々にはBADです。
　またスライムは、できればその怪しげな外見を、
　是非ステータス等で確認したかったです。
　この娘っ子はこんなバケモノと旅をしているのか、と。

■熱中度
　サブキャラもそう口にしますし、お姫様もそうさせろと言いますし、
　とにかくお使いゲームなので、嫌いな人は絶対できないゲームです。
　キャラが好きなら、キャラの言うことにも納得できるだろうので、
　そこが正に分かれ目です。

■快適さ
　宿の食事でステータスを＋１とか＋２とか、本当に地味にブーストしていくので、
　攻略的にはお金をためて、前のエリアに戻って安い料理で寝まくる。
　この時操作がちょっとたるいのが、快適に感じなかった唯一のことです。
　食事の金額がかなり大きく違うので、本当にやる気（食う気）を出せば、
　もっと楽になるはずです。

COMMENT

　何も考えずに手にとってみて、とても楽しめました。
某雑誌のレビューで高得点がついていたと聞いたので、
あのレビューも少しはちゃんとした仕事してるんだなと初めて思えました。
あまりにも無名すぎますし、理屈的に見て、
最近のゲームのように凄く変わった部分や（良し悪し含め）、
特殊すぎる部分がない、本当に昔の古き良きＲＰＧに、
題材としてお姫様の超ワガママが加わっただけの作品なので、
安心して楽しめると思います。

　お姫様いわく、神様は私のためにこの世界を作ったのよ！…だそうなので、
是非プレイヤーはこの少女に振り回されてください。
このゲームは、そういうゲームです。
マリー・アントワネットがこの少女のように立ち上がることができたのなら、
あの人ももう少し違った世界に変えれたかもしれないと妄想することもできるほど前傾思考な作品なので、
鬱っぽい人や、がんばることに意義のある人は、彼女に触れてみてください。
どこまでトランスできるかも問題ですが。（笑）