NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

１、配慮の行き届いたバランス調整

ＰＣＥ版のバランスに下手な手を加えずそのまま移植しており、とても高い完成度を誇っている
戦闘については、レベルが低くても戦術を工夫すれば勝てる
かといって比較的下手な人でも大丈夫である
しっかりレベルを稼ぎ、ちゃんと武器・防具を整えれば勝てるバランスなのだ

ついでに戦闘に負けてしまっても、資金の一つも減らずに村まで戻ってくるだけなので初心者でも安心というもの
戦闘そのもののテンポも良く、ロードもないためレベル稼ぎすら快適である

２、派手なイベント演出と味のある会話

テンポよく起きるイベント演出での盛り上がりを、そっと支える味わい深い会話テキスト
さながら主食に対する白米のようにして、静と動の双方からストーリーを盛り上げてくれる
こと、事件の前後で変化するテキストなどは一つの見物だ

また要所ごとに入るアニメーションや、声優さんたちの仕事が光るキャラごとの喋りもよろしい
どちらも質が高く、それでいて量も多いためとっても満足できる

３、携帯機としての圧倒的なボリューム感

近年の据え置きハードにおける大作ＲＰＧでさえ、これ以上のものは少ないことだろう
なにせ、十を越えるジパングの各地に赴き、七本の暗黒ランを切るのだから

ただ、元々据え置きハード用の大作ＲＰＧという位置付けなので「当たり前」かもしれない
だが、それを「携帯機ハード」で遊べるというのは凄いことだと言える
しかもロードが皆無であるというオマケまでついてきている

４、音楽

ＢＧＭそのものが優れているだけでなく、使い方への工夫が光っている
特筆すべきなのは、フィールド曲だろう
普通のＲＰＧでは戦闘に入ると頭にリセットされるところを、そのまま戦闘前から引き続くといった配慮がある
その他についても同様、とても配慮がよろしい

５、ＤＳ版であるということ

本作はＤＳ版であるため、それに合わせた恩恵をいくつか受けている
タッチペンだけで遊べたり、某所で行う文字入力が容易になっていたり、大中小の攻撃など

しかし、それらをまったく使わずにボタンだけで快適な操作もできる
ＤＳっぽく遊ぶも良し、ＰＣＥっぽく遊ぶも良し、プレイヤー次第のお好みでどうぞ

BAD/REQUEST

１、戦闘が地味

どこか淡白で、テンポの良さの代わりに物足りないものがある
おそらく当時のＲＰＧとしては十分な演出だったろうが、現在のＲＰＧを基準に考えると見劣りしてしまう
もっとも、過剰演出になっても困るのでなんとも言いがたい

２、キャラ絵の古さ

「今でも色褪せないキャラの魅力がある」とは言えるが、キャラ絵については古臭いことを認めるしかない
それに味わいを感じるプレイヤーも居れば、おそらく古臭いと思うプレイヤーも居ることだろう

３、一部の表現が修正されている

かつてのＰＣＥ版にあった一部の表現(エロかったり、グロかったり)が変更されている
旧来のユーザーにとっては、どこか物足りないものがあるだろう

４、ボタン配置

イマイチ持て余しているというか、元々それほど多くのボタンを使わなかったのか微妙な用途が多い
とくにＹボタンなどは「障害物のよけ補正の切り替え」に使うだけしかできず、
ロクにスタートやセレクトも使わない
Yボタンには歩行速度の切り替えなどの機能をつけて、スタートやセレクトによけ補正の有無を任せるべきだと思った

COMMENT

イマイチ持て余しているというか、元々それほど多くのボタンを使わなかったのか微妙な用途が多い
とくにＹボタンなどは「障害物のよけ補正の切り替え」に使うだけしかできず、
ロクにスタートやセレクトも使わない
Yボタンには歩行速度の切り替えなどの機能をつけて、スタートやセレクトによけ補正の有無を任せるべきだと思った

大元のPCE版は、かつてハード一つの命運を掛けた超大作RPGであった
企画者やプロデューサーに有能な人材を使い、声優なり音楽なり絵師なり何なり、とにかくとっても豪華な作りであった
その仕上がりのため「第三のRPG」と位置付けられて、
当時の評価ではドラクエやFFに匹敵するものと扱われていたりした過去もある

今作のDSへの移植版は、オリジナルの素晴らしさに余計な手を加えておらず、とても良く仕上がっている
しかもDSのお陰で気軽に持ち運べたり、
ロード時間がゼロになったことなど、オリジナルより快適でさえある

一つ、興味があれば店頭に足を運んでほしい
天外に魔境アリ、そこにジパングが待っている