NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

「裁判でえん罪の被告人を救う」というテーマがよい。ストーリーや世界観がしっかりしているので、良質のドラマを見ている気持ちにもなる。私は先のテレビドラマ「古畑任三郎」のファンなのだが、真犯人は分かっていながらその方法や動機を暴いていくという手法や、それぞれに際立ったキャラクターを持つ登場人物、印象的なＢＧＭなど、「古畑」に通じるところが多々ある。ドラマは見ているだけだが、そこに自分が参加できるというところが、ゲームの魅力。「古畑」ファンの方や、私のような、大人になってややしばらく経つ方も、楽しめる作品だと思う。
システム的には、第５話で科学捜査があったり、「意義あり！」「待った！」が叫べるようになったり、タッチパネルで操作出来たり、ＮＤＳの特徴を活かそうとしている所が好印象である。
音楽も相変わらずよい。ステレオで聞こえてくるのは気持ちがいい。

BAD/REQUEST

最大の「悪い所」は１話?４話が「リメイク」ではなく「移植」だったこと。ＮＤＳに乗せた目的が分からない。ストーリー上、科学捜査やサイコロックを出せないのは仕方ないが、せっかくシリーズ３作目まででシステムが向上し、４作目にしてハードまでランクが上がったのに、それらを使うことができないというのは、もったいないを通り越して、不思議にさえ感じる。
ということは、私のような前３作をプレイしている方は、第５話のためにソフト（と、もしかしたらＮＤＳ本体まで）を買う事になる。確かにボリュームはあったが、１話分のために払う金額としては、どう考えても高い。
また、セーブに時間がかかる。仕方ないならそれなりに、時間を感じさせない改善を望む。

COMMENT

発売前から公式サイトをみて、期待を膨らませ過ぎていたのがいけなかったのかもしれない。これまでの３部作が素晴らしかっただけに、更にいいものをと、欲張りすぎていたのかもしれない。
高いと書いたが、第５話のためだけに買っても、目新しいシステムや長かったシナリオの分、それなりに楽しめたのは確かだ。しかし…
１?４話の証拠品は回せないのか？人物ファイルはやっぱり突き付けられないのか？「！」マークが一個ずつ消えていくのまでそのままなのか？セーブできないポイントも変更なし？
よくなったのは音楽とグラフィックだけとは…それ以前にこれは「ゲーム」なのである。システムを退化させてどうするのか。非常に残念である。
逆に考えれば、オリジナルが発売された時点で既に完成された作品だったという事なのかもしれない。手を加える必要がなかったのか。それならなぜＮＤＳで出したのか。
公式サイトでは「１?４話も改善されている」旨のことを書いてあったが、前述の通りなので、あまりＧＢＡ版と両方持つメリットがない。ＮＤＳしか持っていない人のためか？でもＧＢＡのソフトも遊べるのだから、それならますます「ＮＤＳ版買って良かった」と思える要素がもっと欲しかった。
逆転裁判の大ファンであるが故に、残念な気持ちの方が大きいのが、正直な感想である。