NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

タッチペン指示によるオート操作では戦闘も自動で行ってくれるので、
むしろRPG的と言えるが、自動で空戦を繰り広げる様は観ていて面白い。
また主にマニュアル操作で遊ぶケースにおいても、
最前線以外の長距離移動をオートパイロットで任せられるという点で快適だと思う。

物理的なバックボーンを含むシステム面はライトな印象とは裏腹に非常に現実的に作り込まれている。
高高度で低下する速度や安定性、プロペラの影響で徐々に右にきれていく機体、
出力の低いエンジンでは揚力が足りずに機首が徐々に下がり、高いと逆に上がる。
神業とも言える修正が施されながら飛び回るオートでは気付かないが、
マニュアルではシビアなまでの物理的現象に驚かされるだろう。
結果、マニュアルでの攻略は比較的簡単なオートと違い、非常に難しいものとなっている。
が、とてつもなく高い高度で飛行したり垂直落下で攻撃したりと、
オートでは味わえないようなかなり自由度の高い飛行を楽しむ事ができる。
またDSにおける戦闘機の操作体系としては非常に高い完成度と言える。

BAD/REQUEST

マニュアルでの操作性はレスポンスも含めて非常に良いと言えるが、
シビアに作り込まれた物理面に付いて行けないプレーヤーは思うように飛ばせず、
敵に機銃を当てることもままならないだろう。
初期は戦闘機の性能が動力も含めて貧弱なため、操縦は余計に難しい。
少なくとも万人に薦められるような次元ではなく、操作性が悪いと勘違いする事態も起こり得る。
そもそもアナログではない十字キーによる操作なため、
繊細な操縦が要求される機銃戦は当然ながらキツイ。
敵機の近距離後方等、決定的な位置取りでは半自動修正で落とせる仕様でも良かったとも思う。
オートとマニュアルとのギャップの激しさを救済する姿勢が皆無なのはやや問題かもしれない。

メニュー周りの操作はWタッチが必要だったり、あまり洗練されているとは言い難い。
また、飛び立った後にやり直したい場合、即座にタイトルに戻る手段が無く、
電源を切るかわざと死亡するしか無いのは不便だと思った。
電源を入れた後にメーカーのロゴが表示されて待たされるぶん、不親切に感じる面ではある。

装備を変えた際、以前の装備が再利用できることもなく消滅してしまうことも不親切に思う。
同系統のものを強くする場合はまだしも、ミサイルからボムといった別系統に切り替える際は非常に不便。

ストーリーは有って無いようなもの・・・という感じだが、
このジャンルは黙々とミッションだけこなせればいという傾向もあるため、
問題かどうかは人それぞれかも知れない。

COMMENT

オートで攻略する際は比較的簡単で、単純ながらもそこそこ楽しむ事ができるだろう。
ただ、ストーリー等も含めやや淡白なので、飽きるのは早いかも知れない。

このゲームにおいて特筆できる点は想像以上に再現された物理的なシステムと、
完成された操作体系の２つだろう。
思いのほか硬派な作り込みなので、ライトなイメージで買った人は付いて行けない可能性が高い。
が、それを踏まえて硬派なマニュアルに挑むほどならば、スルメのように長く楽しむ事ができるだろう。

もしかしたらオートパイロット付きのハードな戦闘機ゲームとした方が良かったのかも知れない。