NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

フライトシミュレーションにもかかわらず、RPG的な装備による機体強化が可能なところが良い。少しずつ金を貯め強化していくことにより、まさに「俺のせんとうき」という愛着をもつことが可能。

また、初心者にも優しいRTS的なオートモードと、戦闘機を自由に操れるが難易度の高いマニュアルモードがあり、それを自由に使い分けられるおかげで、
マニュアルでゲームに詰まる→オートモードで機体強化→再びマニュアルでリベンジ
という手段をとることが出来、基本的にゲームに詰まらない仕様となっている。

エンカウントはフィールドに突然出現する敵機と戦う形式で、通常飛行と戦闘時の飛行にまったく差が無いのも良い。その頻度も「敵が多い」とゲーム内で解説される部分や、敵機に発見されやすい高い高度にいるときに出現率が高まるなど合理的に設計されており納得できるものである。

速度等のあまり変化させない設定は画面上のスライダーをタッチで操り、旋廻や武装の仕様などの頻繁に変化させる部分はボタン操作とDSの操作形態をうまくフライトシミュレーターに合わせてあると感じた。

BAD/REQUEST

まず、ゲームを起動した後の企業ロゴ表示のデモを飛ばすことが出来ないのは問題。その後のストーリー解説デモは画面タッチでスキップできるが、ボタン操作では無理。ゲーム中ではボタンとタッチの併用で操作を行なうのだから、ボタン操作にも反応させてもらいたかった。これはゲーム中の空港での操作にも当てはまる事である。

２つの操作モードは、オートはほぼ自動操縦で照準も偏差射撃もほぼ完璧、マニュアルは完全手動で敵機を視界に留めるのも大変、というように大きく難易度に差があるため、オートで慣れてマニュアルへというような操作手段のランクアップが難しい。命中が望めそうなときのみの自動攻撃など、一部パラメータのみを安定させるセミオートモードがあれば良かったのだが。

機体の強化は装備が完全な上書き型である為に、金銭的な余裕が出来る２週目以降で無いと好き放題交換するという事ができないのがネック。

空港では酒場でNPCから依頼を受けたり情報をもらったりするイベントがあるのだが、イベント終了後にNPCは消えてしまうためイベントの終わった空港などは人っ子一人いない場所となり非常に寒い。また、フィールドで発生する突発の護衛や迎撃イベント等もランダムでは発生しないため、ゲーム終盤はオートモードでランダムエンカウントする敵機を自動で落としながらのんびり他の空港へと移動完了まで待つという既に作業ですらない行為か、それを手動でこなすという選択を迫られる。イベントがランダム発生すればフィールドにおいても適度にサプライズが与えられるのに、これでは非常に勿体無い仕様だろう。

ほかに、折角、実在の戦闘機中心に登場しているのにそれに対する紹介などがゼロというものもある。航空機には詳しくない自分ですら形式番号ではわからなくとも機体の愛称などでは知っているものがいくつもあったので、そのような素材にあるネームバリューを活かさないのは少し勿体無いのではないだろうか。

COMMENT

初心者にもとっつきやすく、かつ慣れた人にも手ごたえのあるフライトシミュレ?ターとしては評価できる。
だが、オートとマニュアルでの剥離した難易度差や上書き型の装備変更、飛行中以外での操作性などの気になる部分も多く、このジャンルに興味の無い人を新たに引き付けることはできないであろう非常に惜しい作品。
根本のシステムはあまり変更せずに、それらの問題点を改善できれば素晴らしい作品になるのではないだろうか。自分としては好きな作品なので、次回作に期待したい。