NintendoDS mk2 :: ロストマジックレビュー

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ロストマジックレビュー

発売元	タイトー（オフィシャルサイト）
発売日	2006/01/19
価格	5,040（税込）
レーティング	【Ａ】全年齢(CERO について)
ショップ/リンク	Amazon
タギングトップ3
タイトル概要	アクションRPG、Wi-Fi対応、プレイ人数：1人?2人

オリジナリティ	グラフィックス	音楽	熱中度	満足感	快適さ	難易度
4pt	4pt	4pt	4pt	4pt	2pt	3pt

総合点
74pt

GOOD!

作品発表時から惹かれた。まず特筆すべきは
キャラデザなどを含めた佐藤氏のイラスト。
「テレ東系」とでもいいますか、そのテのアニメタッチが氾濫している中で、
この昔懐かしい名作劇場風キャラクターたちは非常に新鮮でした。
背景絵が上質。キャラクターの立ち絵パターンも非常に豊富。

RTSに加え、タッチペンで魔法を描くという、新しい楽しさ。
それも数百種類にも及ぶ膨大なパターンで飽きさせない。
新しいルーンを探すのも夢中になるし、強いヤツを発見した時は純粋に嬉しい（笑）。
考えナシでは勝てない、戦況分析力を必要とする。
常に状況判断し、魔物を指揮して、
時には戦力や役割を分散したり、また時にはフルメンバーでボスユニット一体に
特攻をかけたり（笑）することが必要とされる、クレバーな戦闘システム。
設定にもあるように、人間である主人公は非常にヤワで、死にやすい。
それをどう防いでいくかトライアンドエラーしていき、突破口を開いた時が快感。
「こんなの無理だろ！！」ってミッションも、
閃きの後は驚くほど簡単にクリアできるのが快感。
昨今のただクリアさせるだけのゲームと違い、
難易度も所謂「ヌルゲー」ではなく、自力で攻略していく楽しさがある。

レベルにあまり左右されない仕様もいいですね。
戦略と使う魔物次第で、十分に攻略できるという。
冒頭のチュートリアルも非常に親切。
携帯ゲームとはいえ、クリアまで１０?１５時間程度と、
やや短い印象を受けるかもしれませんが
（一般のRPGでいえば、序盤にあたる部分）、
それだけの時間にも関わらず、試行錯誤を重ねるがゆえの、
他では味わえない、濃厚なプレイ感覚。
これ以上に長いとダレる恐れがあるので、この匙加減は丁度良かった。
分岐・引継ぎアリだから、テンポよく複数回遊べる。

・音楽
このアーティストに関しては何の知識も持っていませんが、
主題歌は９０年代アニメ、アイドルチューンを彷彿とさせる曲で、
絵と同じ「懐かしい」という感情を抱く。
ハッピーエンドにこそ相応しい選曲だと思いました。
それだけに、それ以外のエンディングでは流さないというのも潔い。
……いや、かなり妙なタイミングで、
まるでオマケのように流れるんですけどね（笑）。
あれはスタッフのセンスなんでしょうか。
クリア後いつでも聴けるのもサービスが良い。
平凡BGM＋主題歌で４点。

BAD/REQUEST

前述したビジュアルが優れている反面、戦闘シーングラフィックはあまりに貧困。
その弊害として、あの小さなキャラが密集した場合、
対照をクリックし辛いという難点があるのも事実。処理落ちもマイナスですね。
画面切り替えに変な間がある。不自然にもたつく、無駄が多い。
このへんはいつも通りのタイトークォリティ。

会話シーンの紙芝居が下手で、演出がとてもチープ。
文章も上手くないのにこれだから、
たまに何をやっているのか解かり辛いシーンがある。
イベント絵くらいは必要だった。シーンを盛り上げる為にも。
魔物の色違いが多すぎるというのは……ただ萎える。
育成に重点をおいたゲームじゃないにしろ、これはいただけないだろうと。

さて問題のストーリーは、ちょっとばかりお話作りが不自由なようで。
世界観も練りこみ不足を感じました。
こんな狭い、一部の辺境での話を世界危機のように
謳って進行されてもパッとしません。
単純にゲームの邪魔にならないシナリオを書いたのかもしれませんが、
キャラクターの掘り下げや、心理描写が薄っぺらなくせに、
そのキャラクターが、上滑りなセリフばかり喋るのは、チト困りモノ。
シナリオライターさんが拝借してきたと思われるサプライズ系のネタも、
演出の悪さゆえか驚きなど全くなく、陳腐な結果に終わってしまいました。

主人公・ヒロインを始め、キャラクターは叩かれるようなヲタク向けのキャラや
「うざい、狙ったキャラ」、「電波」が存在せず、ナチュラルである。
そこが良かっただけに何より惜しいし、化けそうな気はビンビンするんですが。
昨今の「不愉快なだけ」シナリオよりは若干マシだし、
最終章はそこそこ盛り上がるんですけどねぇ……。

COMMENT

悪い点もありますが、それを上回る楽しさもまたあるわけです。
難易度がやや高めなので、人を選ぶ傾向にあります。
見た目に騙されてプレイすると、初心者は痛いメにあうかもしれませんね
（開発者はインタビューで、最近の子供は大人よりゲームが上手いと発言していた。
　これはそんな人が「子供から大人まで向け」として作ったゲームだから(笑)）。

考える事が重要なのであって、小手先のテクニックはそれほど必要ありませんから、
アクションゲームが苦手な方でも十分クリア可能です。
ジャケットの表記ジャンル「アクションRPG」というのも、語弊を感じるくらいで。
まあ手はかなり忙しいんですが。

オフラインでのプレイでしたが楽しめました。
ゲームのデキとは関係ないのでこの欄に書きますが、
TVCMを始め、宣伝が物凄くヘタ。
こういった良作は、メーカーがもう少し積極的に広めるべきかと。

粗削りで未熟な部分もあるが面白い。
タイトーとしては、久しぶりのヒットだった。