NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

　音楽は本当にすばらしくゲーム全体のイメージともうまくマッチしていました。グラフィックもきめ細かいし、鎧の影のつけ方や背景の細部に至るまで細かく書き込まれドットで最高の贅を尽くした感のある仕上がりです。ゲームシステムは良くも悪くも変わっていませんが、それだけに安定感があり期待したものに確実にこたえてくれる良作だといえると思います。
　バランス面は非常に良好で初回プレイこそやや簡単に感じられますが、（ドラキュラが初体験の人にとっては）複雑なゲームシステムとあわせて考えるとよい落とし所だと感じます。レベルやユーズアイテムによる救済措置もやや過剰なほどに感じられましたが自由度の裏返しともいえます。
　個人的には、このゲームは隠しモードが本番なので隠しモードのバランスが「甘すぎず、チョイ辛」ぐらいで、通常モードで慣れたところにちょうどいいバランスでした。

BAD/REQUEST

　ソウルのレベルが1?9ある物についてですが、もう少しソウルのレベルが上がったことを実感できるつくりになっていればよかったと思います。ソウルレベルが1あがるとダメージが少し増える、連射可能になるばかりでソウルのレベルを上げる楽しみがありませんでした。1?4、5?8、9という風に三つに分けてもよいのでグラフィックやあたり判定に変化があればもっと楽しめると思いました。
　またレベルのある使い魔もダメージアップや攻撃頻度ばかりあがっていて物足りなく感じました。最大レベルにしたときに攻撃パターンが一つ増えるとかちょっとしたことでもかなりやる気や楽しさが違います。
　武器の必殺技も同様で無個性なものが多く多少残念です。「ネビュラ」などはセイント聖矢を幼いころに体験した自分にとっては、名前だけで必殺モーションを複数想像してしまったのですが、実際に作ってみると「がっかり」の一言でした。
武器合成は基本的に一本道の合成で合成する楽しみがあまりないので、弱い武器や使えない武器でもいいので合成ルートを増やしてほしいです。バックベアード+ロングソードでインドラの剣とか、属性ものでもアイテムが豊富になるのはかなりうれしいのでもっとあればなぁ、と考えてしまいます。

　敵ステータスが詳細でないのが特に引っかかりました。上画面にステータス表示できるのは便利ですが、経験値、HPなどの知りたい情報がないのは辛いです。さらに主人公のステータスと敵のステータスが同時に表示してありますがこの仕様は謎です。どちらの情報も不完全なのでありがたくないです。
敵ステータスでどの属性に強いか、どの属性に弱いかなど書いてありますが、肝心の主人公の攻撃が何属性であるのかの表記が無く、「戦術的に弱点を攻めている」という感じに乏しいです。気がつくと「ああ弱点だったのか」程度でもったいない気がします。

　このゲームは死ぬことが多いゲームなのでゲームオーバーしたら見せられるKONAMIのロゴをスキップできずに多少いらつきました。せっかくボスの近くにセーブポイントがあって何度でも何度でも死ぬことができるつくりになっているのですから、何度でも何度でも再挑戦しやすいつくりにして欲しかったです。

COMMENT

　全体的にもったいない印象でした。もっとうまく作ることができたであろう作品に感じます。とはいえ「面白いものはやっぱり面白い」とそういう風に評価します。磨けば光るアイディアがいっぱい詰まっていて、それの磨きが不十分であってもゲームの根幹となる基本的な面白さという部分は骨太で十分に期待にこたえてくれました。
　今後は蒼月では残念ながら習作となってしまった部分（ソウルのレベル、合成、アイテムの量、二画面の使い方）を磨いてほしいと思います。