NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

グラフィック
　2D最高品質との看板がますます本当に揺るがないその芸術性と描きこみの匠。
　ハード性能の向上からポリゴンを使った空間演出が使われ、リアルさはPS版も超えた印象。
　ギミックは増加し、演出面のムダなこだわりへの徹底には笑いと感動が止まらない。
音楽
　優れた音源性能も手に入れ、ドラキュラサウンドの素晴らしさをしっかりと堪能できる。
　落ち着いた曲ばかりとのイメージも払拭し、　ボス戦はACTのためのアツいサウンドが楽しめるし、
　ファミコン版の懐かしい名曲のパワーアップアレンジに心を打たれる。　
　担当は「月下」「キャッスルヴァニア」のミチルさんと、硬派なSFC、N64担当の木村さん。
　ボイスは掛け声の類が大量に収録されていて、意外と綺麗に聞こえる。
システム・バランス
　前作に比べ、多彩なバリエーション要素を活かすためのバランス調整がより練られている印象。
　個性的な武器やソウルたちは多目的な視点からの優劣付けが難しくなり、とにかく十人十色。
　アイテム買い溜めや特定能力の入手で難易度が崩壊する脆弱さはもはや完全に過去の話。
　レベル上げは確実な力だが、序盤のザコがゴミと化すインフレも消え、骨太アクションが楽しめる。
２画面・タッチ
　DSというハードのお題を達成するための新機能のはずだが、これが想像以上に地味に便利だ。
　マップを出しっぱなしがありえないほど便利。よそ見してやられる不安等だとかはほとんど杞憂。
　ワープ部屋で縮小マップから移動地点を選ぶ際、こつんと小突いて選択できるのも心地よい。
裏モード
　発売以前からゲーム雑誌にも情報が露出していたが、恒例の裏モードが存在しており、
　ベルモンド一族の末裔ユリウスに加えて、ヴェルナンデス一族の末裔ヨーコ、
　極めつけに、「月下の夜想曲」のアルカードまでもが使用できる類を見ないファンサービス。
　おまけにしてはキャラモーションも滑らかで良く、アルカードの動きはPS版当時そのまま。
　「悪魔城伝説」「月下の夜想曲」のファンそれぞれには非常に感慨深い。

BAD/REQUEST

イラストイメージの一新
　アニメ調に一新。好き嫌いが分かれるだろうが、遊んでいると不思議とすぐに慣れてくる。
　しいて難を挙げれば、表情のバリエーションが出来た反面、
　アニメ的表現がキャラのイメージを崩してるかも知れないというところだろうか。
　叫び顔や赤面顔を見てなんだかなぁと感じるだとか。前作とのギャップはわりかし大きめだ。　
舞台設定とシナリオ
　根本の設定に多少無茶もあるせいか、動機付けも脚本もいまいち盛り上がらない。
　ゲームの完成度は高い反面、悪魔城シリーズの年表にとくに重要な歴史を刻むものでもない。
　悪役に安直さからの小物っぽさもあり、広大な舞台を使いつつ残党狩りなゲームかもしれない。
　そこらへんは裏モードでカバーだろうか。
魔封陣について
　トドメを刺すというシステムだけに熱いのだが、線を引くものなので指ではちょっと難しい。
　準備を整えて画面に触れる瞬間までは親切に待ってくれる。そして、さっと一発書き。
　判定はそうシビアでもないが、若干の慣れは必要。始めはミスる。常時復習できる機能あり。
　ミスるとボスのHPが回復してバトル継続。動きを覚えて倒す強敵も多く、代償はややキツいか。
　上達すれば、面倒より爽快感が残るシステムに変わる。強制させる回数はそんなに多くもない。

COMMENT

前作「暁月の円舞曲」経験者ならもちろん普通におすすめだが、
PSの「月下の夜想曲」のファンにとっては、
待ち焦がれるも幻であった「月下の夜想曲」の続編作品にも映る作品だと感じた。
時代に合った快適に遊べるつくりになっている一方で、感覚はそちらに近い気もする。

そして、旧来の純アクションスタイルの悪魔城ファンにも嬉しいサプライズがめじろ押しだ。
タイトルを「悪魔城ドラキュラ」に戻したメーカーの新たな決意を確かに感じ取れた渾身の一作。
歴代ラインナップのピックアップタイトルの新たな一つだ。