NintendoDS mk2 :: 世界樹の迷宮レビュー

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世界樹の迷宮レビュー

発売元	アトラス（オフィシャルサイト）
発売日	2007/01/18
価格	5,229（税込）
レーティング	【Ａ】全年齢(CERO について)
ショップ/リンク	Amazon ／ Youtube
タギングトップ3
タイトル概要	3DダンジョンRPG、(Best版：2010年7月15日発売)

オリジナリティ	グラフィックス	音楽	熱中度	満足感	快適さ	難易度
4pt	5pt	5pt	5pt	5pt	4pt	4pt

総合点
94pt

GOOD!

■オリジナリティー
まず驚くべきは、今時”自分でマッピングしろ”というこの発想
DSの下パネルを無理矢理ダンジョン内での操作につかわず
自分でつくったマップを表示、またはマッピング画面として特化
する潔さと逆転の発想に感服

戦闘中でも町中でも上で何をしていようと空いた時間にちょちょいと
マップを書くことも可能、銭湯に入る直前とか戦闘中の暇なときに
マップを書けるのでゲーム中手持ちぶさたになることがありません。

なにより、自分でマップを書くことが楽しいこと楽しいこと！
普段は目的の階段とかをみつけたら他の通路を歩こうとか
一切思わない人もいるでしょうが、自分でマップを書くという
ことになると、たいがいのひとは”完璧なマップ”を作りたい
衝動に駆られるわけで、フロアの全部の床を踏破して調べる
まで次の階層に行こうとは思えませんｗ

この先になにがあるのか？
何が起るのか？

マッピング一つでここまでRPGが面白くなるとは思いませんでした。

■グラフィックス
ダンジョンを良く書き込まれていてすごく綺麗
また60フレームでぬるぬる移動する感覚が病みつきです。
通常”３DダンジョンRPG”というと洞窟だとか地下迷宮で
暗くて閉鎖された空間という印象が強いのですが、この
ゲームは”世界樹”というだけあって、ダンジョンが森の中
という開放された空間であるため、明るく、森の中を
散策しているような気分になり、閉所にいるという印象は
与えません。

ダンジョンは5フロアごとに階層分けされているのですが
次の階層に進む度にがらりとかわるダンジョンのグラフィックと
音楽、そしてモンスターがすべてマッチングしていて
実に素晴らしいです。

そしてキャラ絵、ライトノベルのイラストなどを手がけている日向悠二氏
デザインの頭身低めのキャラなのですが、”萌え絵”だと拒絶する層が
いるのは事実ですが、キャラ絵が表示されるのはステータス画面や
戦闘中のコマンド選択だけですのでそれほど前に出るというわけではなく
”自分の作った冒険者の物語を想像する”というこの手のゲームの
楽しみを阻害するほどでもありません、私にはかわいい絵柄でいいな
と思いました。

キャラ絵と開放的なダンジョンで全体的に明るくPOPな印象です。
街のグラフィックものどかな感じでOK

■音楽
音楽もこのゲームのセールスポイント
イースシリーズ・ソーサリアン・アクトレイザーといった名作の
音楽を担当されていた古代祐三氏が担当といえば、「おお！」と
思う方も多いと思います、今回はわざわざPC88からFM音源の
音をサンプリングして往年のPCゲームミュージックを彷彿と
させるサウンドに仕上がっていて、懐かしいだけではなく
今の時代にあわせてブラッシュアップされたサウンドが
実にカッコイイ、特に第1、第2層で流れるイベント戦闘の
曲がすばらしい出来で戦闘中妙にテンションがあがりまくりです
サントラが発売されるのが実に待ち遠しい出来

DSLでは多少音が悪いですが、PCやヘッドフォンにつなげて聴くと
大満足です。

■熱中度
この先までマッピングして…、次のフロアをちょっと様子見…
と気が付いたら朝になっていることが何度かありました。
電車の中、昼ご飯中、とにかく時間があればダンジョンに潜って
ました、携帯機なのに家以外でゲームしたのはこのソフトが始めてですｗ
文句なしの5点

■満足感
まだ表のボスを倒してストーリー上の終わりを見た時点ですが
実に満足、マッピングも楽しかったし、手強いボスとの戦闘も
楽しかった、特にマッピングに関してはもっとマップを書きたい！
と思わせ、データを消去してもう一度マップを書き直したい
という気分になっています。
データ消したくないのでもう一本購入してしまいそうですｗ
満足したと同時にもっと遊びたいと思わせるのはなかなか
ありません。

■快適さ
DSなので読み込みもなく基本的にサクサク動くのですが
それにくわえて、雑魚との戦闘中暇なときとかにマップを
書いたりできるのでストレスはほとんど感じません。
ただメニュー周りで多少気になるところがあるので4点

■ストーリー
ストーリーはムービーがあったり、自分のキャラが恋愛したり
自分の存在価値に悩んだりすることもない、実に簡素な
物ですが、”自分の作った冒険者の物語は自分で作る”という
コンセプトですからこの程度で良いでしょう
ハンパに話しを大きくするとこの手のゲームでは逆に
邪魔になりやる気をなくします、迷宮の謎やNPCとの
ストーリーは想像力を喚起するぎりぎりのラインで
ここらへんのバランスはいいと思いますが
この手の”そこにダンジョンがあるから潜る”というゲームの
性質上ストーリー評価は基準点以上はつけられないです。

■難易度
初見のボスに何度か負けたり、雑魚やFOEにボコボコに
されたりと難易度は高めです、初見で勝てないとおかしいとか
雑魚の攻撃が不条理とかいう人もいるでしょうが、このくらい
じゃないと手応えがまったくありません
ラスボスの強さも折り紙つき

手応えが欲しい人にお勧め

BAD/REQUEST

■システム
メニュー周りに多少不満点があります
ステータス画面でL/Rボタンをつかってキャラを
切り替えられないのはちょっとめんどくさいです。
ゲームが目指している”不親切さ”とは別次元の
問題なので次回作では改善してほしい。

■グラフィック
容量の問題上いたしかたないと思うのですが
モンスターが色違いの使い回しとかだったり
するのがもったいない、逆に狙ってやっているとは
思うのですが、そこまでさかのぼらなくてもいいのでは？

どちらも致命的な物ではないので気にならない人は
一切気にならないと思います。

悪いところといいつつもそういった”不親切”までもが
演出なのではないかと思わせられる希有な存在です。

COMMENT

これぞ”正しいRPG！”という出来で最近のRPGの
”ゲーム”としてのおもしろさに不満を感じていた人
DSで本格RPGを遊びたかった人には待ちに待ったという
感じではないでしょうか

総じて難易度は高く、初見のボスに一発で勝てないのを
クソゲーと呼ぶ人にはまったくお勧めできません。
が、真女神転生３なので全滅になれている方、負けた相手に
どうやれば勝てるか考えるのが楽しい人、オールドゲーマー
マッピング好きな人には大変お勧めです。

が、逆にそういった”映画みたいな”ゲームが好きな人に
是非このゲームをプレイしてもらいたいです。
あらたな嗜好に目覚めるかもしれませんｗ

個人的には”神ゲー”といっても過言ではありません。
実にすばらしいゲームです。