NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

秀作。
これほどＲＰＧであることに終始したＲＰＧというのは、昨今珍しい。
既に言われている通り最近のゲームとしては少々難度が高いが、ほんの少し戦略を練り直すだけで急展開する戦闘バランスは美事。
そしてそれでも完全に安定するわけでは無いジレンマの具合も、きつすぎず緩すぎず、よーく練られている。

売りの１つである「手動マッピングシステム」。
これがただ樹海を歩くだけで単調な所を、きっちり「探索する楽しさ」に昇華させている。
ウィザードリィなどで方眼紙にマッピングする作業をゲームシステムに組み込んだわけで、ゲームの歴史がグルッと周って逆に新鮮になったような、大変面白いシステムだと思う。

また、キャラクターが魅力的。
操作キャラは自由に作れ、いっさい言葉をしゃべらない。相互に会話するイベントがあるでもないし、作ったキャラを途中で引退させても構わない。
だからこそ「プレーヤーなりにキャラクター付けできる」し、その上で妙に愛着が湧くのである。
イラストも可愛らしくて良い。

懐古向けゲームでは一切無しに、手ごたえのあるＲＰＧを求めているなら買って損は無い。

BAD/REQUEST

せっかく朝と夜の概念があるのに、その違いがあまり無い。
無論背景は薄暗くなるし、特定時間しか現れない敵もいるのだが、

２４時間店員が同じ。
夜だからと言ってガラリと生態系が変わるわけではない。
２４時間店開きっぱなし。

例えば朝８時にならないと武器屋が開かなくて、それまで時間を潰さなくてはいけないとか・・・そういうのが無い。
些細な事だけれど、せっかくプレイヤーがゲーム内に移入できる土台が揃っているのに、せっかくダンジョン内が戦略性に満ち満ちているのに、

街の中が「機能がある」というだけで、どうにも単調に思う。

あとは習得しても使い勝手の悪いスキルがある所か。

COMMENT

オリジナリティー／５点
マッピングシステム。「ゲームを楽しくする」のと「ＤＳの機能を効果的に使う」ことを、ＲＰＧで両立させたのは素晴らしい！

グラフィクス／３点
キレイだし、キャラも可愛いが、いかんせん背景が一枚絵ばかりだ。総合的に見てとりあえず及第点だろう。

音楽／４点
古代氏のファンではないが、よく場に合っていると思う。古いパソコンゲームの音源を使用しているのも評価できる。あのゲームらしい音は積極的に取り入れて欲しい。

熱中度／５点
これはしょうがない。「探索」を突き詰めたゲームは、ただやるだけで面白い。

満足感／５点
ボリュームがかなりのもの。効率的に進めば３０時間強で終わるらしいが、初めてやる人なら５０時間あっても終わらないかもしれない。
仲間を引退させてボーナスポイント付きのキャラを作る事もできるので、幾らでも遊べそうだ。

快適さ／４点
３Ｄダンジョンを歩く部分はアクションゲーム並みのコマ数を使っているらしく、かなりヌルヌル、スムーズに動く。
ボタンの反応も早いし、セーブも初回を除けば早いほうだ。
武器屋でアイテム所持数が見れればなお良かったか。

ストーリー／３点
「目的」はあるけれど、イベントが頻発するわけじゃないので「ストーリー」はと言うと、３点がいいところである。


様々な売りがあるゲームだが、一番特徴的なのはゲームブックみたいなテキスト。
「樹海の森深くで君は○○を見つけた。君は○○しても良いし、ここから立ち去るのも自由だ。」
渋いぜ！