NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

クマが可愛い。グラフィックは体験版でわかる通り非常にいい。クマの可愛さ、風合い、動き、表情。料理や作物、リビング描写などどれも満点の出来と言える。
製作したアリカの技術力が高いことに驚かされる。
クマのポジティブさに励まされる。子供より断然大人向けの作りではないかな？
日常の会話はともかく、ストーリーそのものもかわいらしい。ただ、もう少し自立してもらいたい。

BAD/REQUEST

そもそも、質問を繰り返されることで友達になる、という根幹のシステムがあまりよろしくない。
相当楽しんでいた自分でも、質問攻めには少々うんざりしてしまった。デリカシーのない質問もあるし、何より興味のない事柄や答えに困る質問が非常に多い。
「苦手な人」として入力した人がその後「"苦手な人"と一緒にいたら元気になるかな？」など、ただ人物名だけで覚えてくるのも…自分はそこまで嫌いな相手の名前を入力したわけではないが、やはり不快に思った。
それなら、単純にどこでも一緒のようにプレイヤーにすべて覚えさせられる仕組みにした方がずっと良かったのでは…人物の種類わけや、会話内容のレパートリーだけ充実させてくれればよかった。
そうすればスポーツ好きな人のクマ、リア充の人のクマ、アニメが好きな人のクマ…など人それぞれのクマになり、もっと面白かったはず。

結構大人向けのつくりなのに、質問内容が中途半端に子供向けに作られているので残念で仕方ない。友人だって大人になると、みんな大好きな友人といえる人は狭まってくるものだと思う。
子供でクマトモがいいと言っている子の話もあまり聞いたことがないし。

料理は異様に凝っているが、昼夜の描写やインテリアの選択などがなくそこに手抜きを感じてしまう。
外に出たと報告はしてくれるが自分でどこかに行っている様子などは描写されないし、旅行はコスチューム頼りで、プレイヤーとお散歩などにも出られない。すべて家の中で完結しており2〜3の行動パターンで決まりきっている。
夜だ、朝だと判別できている様子なのに、何故せめて昼夜のグラフィックを用意しなかったのか非常に疑問。
寝室がないのでクマがカーペットの上で縮こまって眠ったりする。
起こせないという人もいるだろうからガッツリ寝なくてもいいけど、あまりにもみすぼらしい。
深夜クマの様子を愛でようと思っても、さんさんと降り注ぐ太陽光の中にいるというのは非常に興ざめ…
お腹も減りすぎる。5〜6時間ずつでよかった。

もちろん予算の関係もあるだろうが、昼夜の概念やベッドで寝ることくらいたまごっちにもついているのに…
公園などの外に出ることも出来るし。
せっかく歩くなど動きをしっかりアリカが作ってくれてるのにね。

かといっておしゃべりゲームとしても、「親友になる」という目的ばかりが先走ってしまって会話パターンが少ない。下手にこだわりすぎて、ゲーム的に非常に飽きを早めてしまった印象。
質問質問質問、プレイヤー大好き、ラブレベルアップ、質問質問質問…を繰り返すだけになってくる。

こちらから教えることもできなくはないのだが、ノートを書き換えるという味気なさ。
そもそも質問とストーリー以外の会話をあまりしようとしないから、本当に一方的になってしまっている。
公式はスマホ版はお話がない、というが、その日限定の会話が配信されており、本日の話題やはげますなど、会話のレパートリーが3DS版より広かったことに非常にがっかり感を覚えてしまった。(それでプレイをやめてしまったほど)
金を払っているのに、あの感覚を何故3DSに生かさないのか！せめてスマホ版の会話が3DSにはいっていれば、こんなに悲しくはならなかっただろう。

システムの不便も目立つ。あだ名も、どれもちゃん付けを超えないのに、一度変更したら戻れない。自分で決められればよかったのでは？

等々、基本がいいだけに残念で仕方ない。
次作を待ち望むしかない。

COMMENT

久しぶりにプレイしたのでレビューしました。
非常に良くできたソフトで、続編を待ち望むファンは多いのではないだろうか。
ただし、その続編を求める声というのが、「惜しい」と思っている点を改良したものを待ち望む、という皮肉な待ち望み方であるということも大きい。
クマトモは育成ゲームもテディベアも好きな自分は待ち望んで発売日に購入した。
プレイしてみて、非常に可愛く嬉しかったのも事実だが、その前にやり込んでいたどこでもいっしょ、ニンテンドッグス、ラブプラス、たまごっちだとかのようにはいかなかった。
変な意味で濃密すぎるようなシステムに仕上がっているのに、大事な生活感を無視された作り。長く癒されるゲームにはなり得なかったのが残念でならない。

ひっそりと廉価版が出るなどしているが
バンナムはクマトモに対して結構いいアプローチをしていたし、そこそこ癒し育成ゲーム好きに買われていたはずなので、次作を心から待ちたいところ。
これだけ問題が指摘されながら、数ヶ月前まで値崩れしなかったことは凄いことだと思う。癒し系育成ゲーム市場は広い。