NintendoDS mk2 - ニンテンドーDSの参加型レビューサイト

GOOD!

・英雄バトルロード
DS版からの追加要素である「英雄バトルロード」だが、新ステージが7つ追加され本編そっちのけでハマる魅力はさらに強化された。
武将たちの特技の追加・陣形の変更及び新ステージ追加によるに武将獲得の変更により、DS版をプレイしたプレイヤーでも戦略の再考を求められることになる。例としては突撃による短期決戦へのメタとなる「八卦の陣」追加（特に軍師として名高いキャラほど持っている頻度が高いので注意）や、特攻・鉄壁など上方修正されたり仙術のように下方修正されたりした特技の存在（また特技使用時の消費体力が増加した物も多い）、新規特技「弓神」による武将自体の強化（特に黄忠・夏候淵・呂布などはこれのおかげで間接攻撃も強くなって使い勝手もさらに増した）などがあるため、それらも考慮して是非とも全ステージのクリアを目指したい所。
・名君チャンピオン道場
特定の君主及び難易度でチャレンジごとの勝利条件を達成するという、いわゆる「ショートシナリオ」であるが、「三國志5」を熟知していないと目的達成は案外難しいためやり応えはある。
例えば命令回数は名声の値により決まるため、短期決戦重視のチャレンジでは効率よく動く事を求められたり、敵の兵を倒しても「負傷兵」という形で生き残る事があり、戦争が終わると負傷兵が全回復し、登用できなくて解放すると後の戦いに困難になるため武将を登用できなければ斬首もやむなしなどといった具合に。
歴史イベントの発生条件を潰して発生させなかったり（歴史イベントも自軍に有利になるだけでなく不利になる物もあるため）、逆に歴史イベントを発生させるなどの工夫も必要であるあたり高評価を狙うためにはさらなる熟知が求められる。

BAD/REQUEST

・SP武将について
今作では英雄バトルロードの追加ステージや武将カードの獲得により戦国武将をSP武将として獲得できるが、「信長の野望」シリーズでもないのに戦国武将が登場するのは人によっては好みが分かれるかと（「三國志12」の要素が元ネタである。3DS版で追加されたシナリオも元ネタは「12」のシナリオで、それを「5」のシステムに合うようにアレンジされている事に気づくはず）。
項劉記・水滸伝からのSP武将はそれぞれの作品に続編が出ていない（どちらも単純に全土統一が目的ではなく、勝利条件を満たす事でクリアとなるため「信長」「三國志」とはまた違った味があるのだが）ため仕方ない部分があり、春秋戦国時代のSP武将も比較的マイナーな時代であるため（他社も含め、その時代を舞台にしたゲームが殆どない事もあるのだが）仕方ない部分もあるのだが、三国時代に戦国武将が出てくるというのも違和感がぬぐえない。
中途半端に「12」の要素を取り入れる位なら、むしろ開き直って「無双OROCHI」の設定を歴史SLGに「逆輸入」したシナリオを作る（戦国・三國志の武将たちが遠呂智側と反遠呂智側で2大勢力となり戦うという、ある意味「黄巾と南漢」に近いものになるだろうが）などした方が良かったのではないだろうか。

COMMENT

本編その物はWin版時代から相当「三國志5」をプレイしていたためやり方を熟知しており、「英雄集結」解放条件の全土統一は「黄巾の乱」の張角で2年2カ月という自己最短記録で達成できたので、あくまで本編以外の要素について語る形になってしまった。
DS版から強化されている部分が多く、本編以外の要素でやりこみ甲斐はあるが、「12」の要素を盛り込んでいる事に対しては賛否両論あるだろう。
それでも「三國志5」未経験のプレイヤーにとっては入門用に丁度良く、「三國志5」経験者にとっては「英雄バトルロード」「名君チャンピオン道場」などやりこめる要素で楽しめるため、秋の夜長にじっくりとプレイされてはいかがだろうか。