ファイアーエムブレムif 白夜王国/暗夜王国
中央値: 58 Amazon点数: 2.8
スコアーボード
標準偏差 16.11 難易度 2.77 mk2レビュー数 31ユーザーレビュー
(デフォルトは中央値近順)オリジナリティ | グラフィックス | 音楽 | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | 難易度 |
---|---|---|---|---|---|---|
2pt | 1pt | 4pt | 1pt | 0pt | 3pt | 2pt |
29pt
GOOD!
・音楽が良い。とても印象に残るというタイプではないものの、ゲームをプレイしながら聴くBGMとして不快感のない耳触りの良い曲が多い。
・前作・覚醒から「ゲームバランスを整えよう」というスタッフの努力は見える。
BAD/REQUEST
・登場人物が不愉快
メインを張る主人公(マイユニット)、アクア、白夜暗夜の兄妹ら(特に長兄)にとにかくイライラさせられる。
「ああしたい、こうしたい」と口で言うばかりで自分の意志で行動しない主人公。進むべき道は周りが提示し、彼・彼女はそれにただ従うばかりで自我が無い。だというのに周囲はやたらとちやほやする。プレイヤーの分身だから迎合しなければならない、非情な行動はさせられない、けどとにかく持ち上げてプレイヤーに満足感を与えねばならないという、まるで最近流行のライトノベル主人公のような中身の無い主人公である。
聡明で優しいという設定のヒロイン・アクアだがその行動はとにかく無感情で無機質。無関係な中立国民の命がどうなろうと知ったことではない、自分はガロン王を倒したいと言わんばかりに身勝手な行動に出る。しかし嫌われたくないのかことあるごとに儚さを演出して悲劇ぶる。暗夜ルートを選択すると、お世話になった白夜王国に攻め入ることを躊躇なく進言する不義理なヒロインである。
「頼りになる存在である」という「設定」だけの長兄を筆頭とした兄妹ら。白夜長兄は「武士道精神あふれる男」という「設定」の割には自国民を放ったらかの体たらく。暗夜ルートを選択すると、「病に伏せた暗夜王女を助けるための薬が必要だから見逃してほしい」という主人公の言葉に対して「お前が戻ってくることが条件だ」という交換条件を提示してくる。武士道精神はどこに行った。
暗夜長兄は主人公に肩入れし、乱心の父を止めたいと内心では思っているものの、その父に凄まれるとすごすごと引き下がる体たらく。しかし何故か「理想の王子」など作中人物からやけに持ち上げられている不思議な人物。実に頼りない。
他、「殺す」だの「ぶっつぶす」だの汚らしい言葉を軽々しく使う上に長兄である第一王子に敬語も使えない弟や姉。その言動は不愉快極まりなく、世界観から逸脱している。初見は「属性張り付けただけのキャラか」と思っていた末姫二人がまともに見えてくる異常事態。
また物語には大きく係わらないものの、脇を固める登場人物、味方ユニットもこれまた不愉快。属性を張り付けただけの人間味の薄いキャラクターが闊歩し、「とにかく自分の属性を披露したい、みんな俺を私を見てくれ」と言わんばかりに喚き散らす。他人に迷惑をかけようが知ったことではないという身勝手で不愉快な振る舞いが目に余る。私がこの国の王子王女であるなら、彼らから騎士や従者と言った身分を剥奪し、謹慎処分を下したいと何度思ったことか。しかし支援会話を進めていくと、「実は可哀そうな過去が~」のオンパレード。悲惨な過去を持ちながら真面目に生きていた登場人物なら過去作にも数えきれないくらいいましたが?
総括すると、どの登場人物も「○○という設定」だけで語れてしまう薄っぺらい存在で、人間的魅力がかけらもない。過去作では「こんな人現実にいたらなぁ」くらいに魅力と人間性に溢れた登場人物が多かっただけに、残念極まりない。立場や身分と言った登場人物の「人生の軌跡」は、単にキャラクターを面白おかしく着飾るだけの「記号」に成り下がったようです。
・ストーリーに魅力が無い
フィクションにおいて、登場人物の魅力とストーリーの面白さは綺麗に比例するもの。登場人物が上記のような人間的魅力に著しく欠いている状態で、どうして感動する物語を紡げましょう。中身の無い登場人物が織り成す薄っぺらなストーリーに感動などあるはずがない。
起承転結の「承」と「転」が欠落しているため、普通なら心動かされるべきシーンで「え、なんで?」と肩透かしを食らってしまう。プレイヤーの目線では、先ほど登場したばかりの人物が命を落としても、その人物の魅力がさっぱりと抜けているため、作中人物が大げさに悲しんで見せてもただぽかんとするだけ。その他のシーンも、毎度毎度「○○なら敵は少ないはず」「じゃあそこに行こう」→「しまった待ち伏せだ、戦いたくないのに!」の連続で飽きれてしまう。軍を率いているなら斥候をまず出しなさい。
・倫理観の欠如
結婚システム、及び子世代システムの無理やりの導入により、白夜・暗夜末姫など明らかに未成年のキャラでも妊娠出産する。勿論現実にも歳の差婚はあるし、現代からすれば未成年と言える年齢で政略結婚した人物もいる。が、「そういう世界観なんです」と言い訳するにはまずその世界観の説明(作中の歴史にそういった事例があったなど)をすべきだがそれが無いので、結局現代を生きるプレイヤー側の倫理観で判断するしかない。そもそも現代でいえば未成年だが作中では大人として扱われているというのであれば、末姫二人の立ち居振る舞いはきちんとしているべきだし、第一王子らもとうに政略結婚しているべきなのだが。
生まれてくる過程もかなり危険極まりないが、そうやって生まれてきた子供と親子で共闘するための理由付けも危険極まりない。戦時中で危険だからという理由で「秘境」という異世界に預けられるのだが、ここは時間の流れが作中世界と異なるため、子供は急速成長してあっという間に親に迫る年齢に、あるいは超える年齢になってしまう。言ってしまえば実の子供の「促成栽培」である。一人目だったら「知らなかった」と言い訳もつくが、その後もプレイヤーの行動によっては何人もそんな悲しい命が生まれ育ってしまう。恐ろしいことにこの非人道的な行い誰も言及していないので、スタッフも全くの無自覚であったのでしょう。目先の萌えに走って、自然に生まれ育つべき命を操ってしまう。作中人物、ひいてはこの設定を考えたスタッフは命を弄んでいるという自覚はあるのだろうか?
他、マイルームで日夜繰り広げられるセクハラ・パワハラ行為。私には耐えられなかった。
・ゲームバランス
良いとは言えない。確かに前作の反省を生かし、スタッフが努力したのは分かるのだが、ステータスと物量の殴り合いで、プレイヤー側の選択肢を狭められてしまった印象。今までの作品だと、多少弱くても運用困難なユニットはおらず、プレイヤー側の工夫次第で様々な楽しみ方が出来たのだが、今作ではそれができず、耐久と殲滅力を兼ね備えたユニットを集中的に使わなければクリアできないようなバランスとなっている。
加えて、やたら数ばかりが多く確認するのも億劫になるスキルの数々、回復手段のない状態異常杖(「その章の間ずっと最大HP半減」「そのターン移動不可」「ステータス大幅ダウン」など)の連発、武器を使っただけで低下するステータス。プレイヤー側が5ターン後どころか1ターン後の状況を正確に予想することはまず無理でしょう。
またそれを助長するUIの不親切さ。「追撃されやすい」「追撃しにくい」「○○に強く、それ以外に弱い」など、説明になっていない説明をする武器の説明欄。画面をタッチしないと詳細(通常の数値が幾つで、現在何があってそれが変動しているのか、など)が分からないステータスの数値。だというのにキャラクターの顔グラフィックがやたら大きく画面を陣取っている。そんな顔よりももっと大切な情報を見やすくして……。
とはいえ、このゲームバランスが良いという人もいるので今回のゲームシステムがたまたま私に合わなかったのかもしれないです。
COMMENT
ファイアーエムブレムシリーズに出会って10年ほどというまだ新参の域を出ない身ではありますが、それでも歴代作品の中で最も登場人物とストーリーに魅力がなく、何一つとして楽しみを見いだせないと思いました。作中人物や世界観の不愉快さ、欠如した倫理観に打ちひしがれ、大きな失望感を覚えました。とても親しんでいたシリーズで、新作が出るために胸を躍らせ、また初プレイした烈火の剣以前の過去作にも熱中し、「好きなゲームシリーズ」とはっきりと答えていました。本作・ファイアーエムブレムifは、そんな私の心にぽっかりと穴が開けてしまい、今後の作品に一切の期待を持てないと思わせるほど低俗な作品と相成りました。私は今後一切、ファイアーエムブレムに触ることは無いでしょう。
Amazonレビュー
レビュー者: 南部鉄風鈴 レビュー日: 2017-05-11変な好感度アップのシステムは、なくて良かったのに。
アクセスランキング
-
モンスターハンター4G
■ ジャンル:ハンティングアクション ■ プレイ人数:1人(通信マルチプレイ 2~4人) ■ セーブデータ数:3 ■ ダウンロード版:5,990円
■価格:6264
■発売日:2014-10-11
-
ファイアーエムブレム 覚醒
ロールプレイングシミュレーション
■価格:4800
■発売日:2012-04-19
-
モンスターハンター4
■ ジャンル:ハンティングアクション ■ プレイ人数:1〜4人 ■ セーブデータ数:3
■価格:5990
■発売日:2013-09-14
-
モンスターハンター3(トライ)G
ハンティングアクション、プレイ人数:1人~4人
■価格:5800
■発売日:2011-12-10
-
SUPER STREET FIGHTER IV 3D EDITION(スーパーストリートファイターIV 3D EDITION)
対戦格闘、ダウンロードプレイ対応、インターネット対戦対応、プレイ人数:1人?2人
■価格:4800
■発売日:2011-02-26
-
スーパーマリオ 3Dランド
3Dアクション
■価格:4800
■発売日:2011-11-03
-
レイトン教授VS逆転裁判
ナゾトキ・法廷アドベンチャー
■価格:5980
■発売日:2012-11-29
-
STELLA GLOW(ステラ グロウ)
■ ジャンル:剣と魔法のファンタジーSRPG ■ プレイ人数:1人 ■ セーブデータ数:3
■価格:6469
■発売日:2015-06-04
-
ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス
■ ジャンル:RPG ■ プレイ人数:1人 ■ セーブデータ数:3
■価格:7538
■発売日:2014-06-05
-
とびだせ どうぶつの森
コミュニケーション とびだせ どうぶつの森 amiibo+ ※すでに『とびだせ どうぶつの森』をお持ちの方は無料でアップデートできます。
■価格:4800
■発売日:2012-11-08
GOOD!
※白夜王国のみでのレビューとなります
・ゲームバランス
攻陣、防陣での駆け引きや、今作での武器の使用回数撤廃により、各武器に特徴が付加されたことにより、ゲーム全体的に行動の幅が広がったのがSRPGとしてとても良かった。
また、これまでの作品と比べHPを全体的に下方修正した影響で、1キャラで敵陣に突っ込むといったごり押しプレイもし辛くなっていて、ゲームバランスが良くなったのも好印象。
白夜王国限定の要素ですが、遭遇戦の敵を出現させるのにお金がかかったり、一度お金を払っただけでは敵数が少なかったり(2度払えばそれなりに増える)と、それなりにリスクも用意されていて、調整がしっかりされているところも良かった。
フェニックスモードの導入よって、SRPG初心者でもゲームに慣れることができるため、こういった選択肢の幅を広げるのは良いと感じました。
・マイキャッスル
今作からの新しい要素であるマイキャッスル。内容も複雑ではなくシンプルな内容でなかなか楽しい。好感度を上げる要素もたくさんあって、やれることも多かった。
・オンライン要素
マイキャッスル訪問や通信対戦など要素も増えつつ、色々工夫されているように感じました。
一つは、他プレイヤーのマイキャッスルでアイテムを購入できたり、対戦を行うこともできます。また、これを行うことでポイントが溜まり、良アイテムが入手できるなど、オンラインプレイをするメリットがあるので、やりこみ要素としても充実しています。ストーリーを忘れてこの要素に熱中してしまうこともしばしばありました。
・音楽
今作では歌によるBGMが含まれていて、今作の世界観を物語っていました。また、この歌がストーリーにも絡んできて、良いアプローチだなと感じました。
・結婚
前作から可能になった結婚だが、今作からは同性婚が可能となった。これに関しては賛否両論かもしれないが、こういったことが好きじゃない人はしなければいいだけだし、個人的には幅を広げる要素として評価できると感じたので好印象。
・キャラクター
各キャラクター個性がって、また、どのキャラクターもしっかり成長するため、自分の気に入ったキャラクターを前衛に使えたりするので良かった。
・ボリューム
30章近い本編に外伝や遭遇戦、防衛戦、オンライン要素など盛りだくさんで長く楽しめる。
BAD/REQUEST
・フィールドマップ
遭遇戦や各章の選択を行うフィールドマップだが、前作の覚醒と比較するととてもシンプルになった。その反面、地図上での移動が無くなった分、各地の場所が把握しづらくなったように感じた。
・キャラクター
GOODでも紹介たが、それに対してどのキャラクターもステータスが伸びるため、能力的面であまり個性が無いように感じました。
COMMENT
白夜王国のクラシック/ハードでクリア。
暗夜王国は未プレイです。
FEの新作ということで購入しましたが、思った以上に楽しめています。GOODでも触れたようにボリュームがしっかりしているので、私はクリアするのに50時間かかりました。
今作はFEファンからすると今までのFEとは少し違った感覚に感じる要素も多いのですが、幅広いプレイヤーに遊んでほしいという開発者の意志がとても伝わる作品に感じました。
これから白夜のルナティックと暗夜王国もプレイしたいと思っています。
是非、皆さんも一度プレイしてみてはいかがでしょうか。