ダウンロード版を購入しました。
まず、ソフトを起動すると、ナナミ（花澤香菜さん）が可愛らしい声であいさつしてくれます。
「一緒に楽しく勉強しよう」
しかし……このソフトに楽しく勉強できるような工夫がほとんどありません。
淡白な問題集にナナミをくっつけただけ。
メインの文法学習では、文法の組み立てに関する簡単な説明がされるだけで、あとはプレイヤーの英語力にほぼ丸投げ。
英語をまったく一から勉強するのには不向きで、ある程度の語彙力や理解力が必要です。
あとは、間違えた問題を丸暗記して正解を得るか。当然、それでは応用力は身に付きませんが。
学習を続けていくと、ナナミの服装や髪形の種類が増えますが、それはご褒美的なもの。
学習そのものはこれまで幾つも発売されてきたであろう英語学習ソフトとなんら変わるところはありません。
いや、このソフトは操作性の悪さでそれらより劣るとも言えるでしょう。
ばらばらになった単語をつなげて文章を作るというのがこの学習のメインなのですが、
ひとつひとつの単語をチェックしていく作業がとてもやりずらいのです。
さらに不親切なのが、途中でセーブができないこと。
ドリル学習では100問以上もある問題を解くのですが、途中でセーブができません。
終了すなわちギブアップ。
連続して一気に解かないことにはご褒美はおろかナナミに叱咤されます。
夜寝る前に少し問題でもやろうかな、なんてシチュエーションはお構いなし。
英語は外国人の男女の音声で収録されているのですが、これが腹立つほどにネイティブで、聞き取りに苦労します。
あんなペラペラ英語が理解できるくらいなら、今更勉強し直したりしませんよ…。
ネイティブとはいっても、なんだかやる気がなさそうな、数をこなすために早口になっているだけのようにも聞こえてきます。
誤字脱字もぱらぱら見かけますね。
一度解いた問題は、それとその場で分かるようなチェックもしてあるとよかった。

なんだか悪いところばかり目についてしまいますね。
これらのストレスのたまる環境で我慢してプレイしていても、
問題を間違えたときにナナミに「ブブーっ」「はずれー」と底抜けに明るい声で言われると、癒しはおろか苛立ちすら覚えます。
こうなってくると、唯一のうりであるナナミの存在自体、首をかしげたくなってきます。

いったい、このソフトはどういった客層に向けてあるのでしょうか？
花澤香菜さんのファン？ナナミのファン？
英語の初心者？中級者？
いずれもはっきりしません。どっちつかずの中途半端。

私がこのソフトを毎日プレイするモチベーションは、お金を出して購入したという意地からです。

ゲームとしても、勉強ソフトとしても☆ひとつですが、それでも継続すれば結果があると信じて、全体的な評価は☆２つにします。
もっとも、真剣に英語を勉強したいのなら他の教材を選んだ方が無難ですが……