サクラノート ?いまにつながるみらい?
中央値: 49 Amazon点数: 3.4
スコアーボード
標準偏差 15.37 難易度 1.60 mk2レビュー数 5ユーザーレビュー
(デフォルトは中央値近順)オリジナリティ | グラフィックス | 音楽 | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | 難易度 |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 4pt | 4pt | 1pt | 2pt | 2pt | 0pt |
49pt
GOOD!
マイナーなソフトだが有名クリエイターが参加している。
音楽は植松伸夫氏。
氏の曲を久々に聴いたが、かつての植松節とは違う新境地を開いた印象。
バリエーション豊富で、音や声の使い方も実験的且つ意欲的で面白い。
戦闘の曲にFFのイントロ(ソソソソソソファファ)を織り込む遊び心も。
シナリオは野島一成氏。
思春期の少年と少女、ちょっとドロドロした大人たち、
そして怪しくもどこか憎めない妖怪たちが絡み合う少し不思議な物語。
氏としては異色のシナリオだが、終盤に意表を突く展開の妙は健在。
開発はグラスホッパー系のアウディオ。
ここのドット絵はカネを払って愛でる価値がある。
独特のグラデーションが美しい背景のみならず、キャラの動きも芸が細かい。
女の子と手をつなぐ前に手をゴシゴシする友人とか、
もう見ているだけで甘酸っぱい気持ちになれる。
ステイ!されて思わず止まってしまう犬とか、持ち上げられて縦に伸びる猫も、
秀逸なテキストと相俟ってとにかくかわいい。
製作者の動物愛がひしひしと伝わってきて、犬や猫が飼いたくなってしまう。
雰囲気作りは満点。
BAD/REQUEST
どこまでも雰囲気を楽しむソフトであり、ゲームとして熱中できる点は無い。
道中の二択はアイテムの取得やサブイベントに影響するだけで基本は一本道。
寄り道要素は数をこなせばボスとの戦闘が少し有利になるくらい。
その戦闘は超が付く低難度で、緩い攻撃をかわしてAボタンで叩くだけ。
成長・収集要素はあくまでもオマケ程度であり、ジャンル通りのADVと見て良い。
もちろんADVとして引き込まれるストーリーがあればそれで良いのだが、
「やさしい物語」とやらも悪く言えば刺激に乏しく、
淡々とフラグを立てていくだけの展開ではモチベーションを保つのが難しい。
犬猫パートも発想は面白いが序盤は主人公と同行する時間が長く、
同じ強制イベントを何度も見せられるのが苦痛。
2Dだから全く同一の絵なわけで、これをスキップできないのは辛い。
複数視点の絡ませ方なら「428」という素晴らしいお手本があるのだが、
あれと比べると物語の見せ方がなってない。
犬猫パートに切り替えるたびにセーブが必要なのも面倒。
これだけシンプルな造りのゲームなら
いくらマーベラスでもバグは無いだろうと思っていたら、
エンディングで真っ白になった画面でフリーズして笑った。
ゲーム開発者が主人公の父親であったり、
犬のモデルが植松氏の愛犬PAOであったり(スタッフロールにて確認)、
植松氏まんまな「ノビヨ先生」が延々と愚痴るイベントがあったりと、
飲み屋の内輪ネタをそのまま持ち込んだような設定が多い。
鼻につく程ではないが、「最近のハードの進歩についていけない」開発者のモデルが
FF13に関わっている野島氏というのは笑うところなのだろうか。
もっとも、マーベラスやアウディオに言われたら説得力があり過ぎて逆に切ないが。
COMMENT
世界に3人くらいしかいなそうなアウディオドット絵ファンとして、
シャイニングソウル2→コンタクト→デルトラクエスト→サクラノートと
半ばお布施も込めてお付き合いしてきた。
しかし悲しいかな、新作が出るたびにゲーム性は弱体化している。
文庫本のように軽い気持ちで楽しむ雰囲気ゲー…というコンセプトは分かる。
しかし今の時代、それに5000円払わせるには相当な付加価値が必要だろう。
ARPGとしてしっかり遊べるものにするか、
純粋なADVとして余分な要素を削ぎ落とし、安価なDSiウェアで提供するか、
どちらかにすべきだったと思う。
悪い意味で「作品」の性格が強く、商品としての魅力に乏しい。
ちなみに説明書には「現場が楽しんで作ったゲーム」とある。
なるほど、良くも悪くもその通りの内容だ。
こんなソフトがあってもいいよね?という暗黙の提案には首肯するが、
他人には間違っても推奨できない。
レビューサイトを参考にして「当たり」だけ遊びたいと
考えるような人には特に合わないはず。
物好き以外は手を出さないように。
Amazonレビュー
レビュー者: 徳保隆夫 レビュー日: 2009-11-07CD1枚、全28曲収録、71分。曲目リストは以下の通り。
01.いまにつながるみらい 2:02
02.七海のこと 2:22
03.口笛ふいてどっかいこ 3:40
04.猫、本気! 1:34
05.犬、頑張ってます! 2:14
06.七海はヒロイン? 2:09
07.へんなおじさん 2:27
08.あえいう 3:20
09.大物妖怪、現る 2:27
10. 妖怪祭りじゃ 1:40
11. 戦え!ショウネン 3:33
12.バトル勝利ファンファーレ 0:09
13.みんな、いえのひと 4:54
14.不潔な下水道ダンジョン 2:06
15.工場はまるでダンジョン 3:32
16.月夜の建設ビル 2:07
17.わたしはいつもヒルズ 3:43
18.機械だらけの町 3:28
19.鳥幕府である 2:19
20.イヤナ予感・胸サワギ 1:28
21.妖怪ですが、ナニか? 0:55
22.冥界大学付属妖怪学園 3:26
23.だいじなものゲット! 0:09
24.七海と電車に飛び乗って 2:09
25.伝説のラストバトルへ 3:48
26.戦え!ナスカイザー 4:20
27.やさしい気持ちでいようよ 2:06
28.涙のオルゴール 3:39
*主題歌「きみと走るとぼくは泣く」は収録されていません。11月18日から iTunes store で配信されるそうです。
本格的なサントラアルバムで、聞き応え十分。単体での発売は考えにくく、植松伸夫さんのファンなら買い。ゲームの内容通り、実写ジュブナイルドラマの劇伴のような曲が揃っています。
星は特典の満足度です。ゲーム自体のレビューは特典なし版の方に書きました。
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GOOD!
・グラフィックス
職人芸の域ともいえるドット絵の細かさは、町のグラフィック以外にもキャラクターの仕草、動物の動きに至るまで(猫が腹を出したり毛を逆立てるところも細かくドットで表現されている)活きているため、ポリゴンの「人形劇」に慣れたプレイヤーには逆に懐かしく感じるだろう。
・世界観
子供の目線から「枯れそうになっている桜を救う」という小さな冒険を行う流れは、重厚長大な話に慣れた人間にとってはどこか懐かしく心安らぐし、また主人公やヒロイン・七海の飼っている猫や犬の視点からサイドストーリーを追っていく流れも、逆に動物の視点なので言葉や気持ちが上手く伝わらないもどかしさや、主人公の視点外で起きた出来事などが見えた(後半になると主人公たちと動物達の行動が別々になるため、サイドストーリーの方も面倒臭がらずに読んでおかないと話が理解しにくいかと)ため素直に感心できた。
BAD/REQUEST
・ストーリーについて
冷静に読み解いてみるとわかるが、主人公たちが小さな冒険をしたのはたった3日間であり(それ故大体長くても5時間程度で終わるのはメリットにはなる)、それ故行動範囲が狭い事(主人公の住む住宅地・桜の木のある神社周辺・七海の住むマンションのある高台・駅前周辺・電車で向かう桐谷町の全5ヶ所)は物足りなく感じたし、また3日間で話を完結させなくてはならないので性急さや人物の掘り下げの浅さも気になってしまった。
出会って1日も経っていない七海に「妖怪の手から桜を救って欲しい」と言われても、大抵の子供なら素直に信じることは難しいだろうし、また一緒に過ごす時間の圧倒的な不足から、キャラクター同士が仲良くなる描写も足りずラストの別れも寂しさが不足した感じは否めない。
せめて夏休みの間(大体10?20日位あれば良いか)の冒険にし、主人公・七海が一緒に過ごす中で仲良くなっていく描写や周りの子供たちの中に七海が解け込んでいく描写などあったほうが、ラストの別れのシーンもより寂しさを感じさせたのではないだろうか。
子供が友達との別れを寂しく感じるのは、1日でも長い時間を一緒に過ごした友達であるほどその寂しさは大きくなるのだし(子供の頃親の都合で転校していった親しい友達との別れを経験した方ならその感情が理解できるだろう)。
・妖怪とのアクションバトルについて
物語の中で妖怪たちとの対決でアクションバトルがあるが、難易度は比較的低めで、基本的に敵の弾は遅いのでよけやすい反面、主人公の攻撃の当たり判定が小さいことや、ダメージを一発でも喰らったりBボタンで逃避行動を取ったりすると勝っても「新しい経験」が入手できないことなどは完璧を求めるプレイヤーには少々厳しい物があった。
子供が妖怪と戦うにしても単純なアクションバトルよりは、友達からのサポートを受けたり友達との連係プレーで勝利する展開や、時に知恵比べなどの平和的な対決などもあった方が(妖怪達も完全な悪というわけでなく、どこか憎めない相手ということもあるため)無理にゲーム性を挟まなくても良く、また子供の目線から見ても理に適う(子供が大人に教わることの一つに「友達と協力すること」がある。ヒーローだって1人のスタンドプレーだけで勝てるものではないのだから)だろうし。
・快適さ
主人公や動物達の移動速度が遅かった(ただでさえ街中を動き回るシーンが多いため尚更)ことや、イベントなどでメッセージスキップが出来ない(さらに言うとコンフィグでメッセージスピードを変更する項目すらない)ことなどは短い話とはいえ快適さを考慮していなかったように見えて仕方がなかった。
COMMENT
子供の目線からの小さな冒険や、ドット絵で巧みに表現されたグラフィックなど光る物は持っていたが、ストーリーのボリュームと練りこみ不足やアクションバトルの存在意義、快適性の低さなどが仇となり「惜しい作品」と評さざるを得ない内容になってしまった。
逆にその欠点を改善できれば掛け値なしに「名作」と評されてもおかしくはなかったのだが。
現在買うとしたら価格がもう少し下がるのを待った方が賢明かもしれないが、攻略サイトは現時点(2009年11月現在)では一件もないので、誰かのために攻略サイトを作る(特に「新しい経験」の達成条件は詳細に書いたほうが後に続く人にも手助けになるだろう)ためのプレイというのもありだろう。