世界樹の迷宮X(クロス)
中央値: 80 Amazon点数: -
スコアーボード
標準偏差 9.23 難易度 3.25 mk2レビュー数 4ユーザーレビュー
(デフォルトは中央値近順)オリジナリティ | グラフィックス | 音楽 | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | 難易度 |
---|---|---|---|---|---|---|
2pt | 3pt | 4pt | 3pt | 3pt | 4pt | 2pt |
63pt
GOOD!
総評はコメント欄に書いてあります。
■シリーズ最多の職業とパーティ編成
過去作からの結集ということもあり、シリーズ最多の19職からパーティが組めます。
選抜された職業については不満もありますが、ともあれシリーズ最多であり、この手の自由な職業選択ができるRPGの中でも選択肢が多いのは間違いありません。長所と短所がはっきりしている職が多いので、あれこれ組み合わせを考えるのも楽しい。
■充実したキャラクタークリエイト
それぞれの職業に基本4パターンある以外にも、DLCも利用すると過去作の立ち絵が使えるようになりました。過去作のファンには嬉しいところ。
残念ながら今作に参加していない職についても、似た系統の職にしてグラフィックをそれをすれば、なんとか使っている気持ちになれます。
また、ボイスには掛け声中心の汎用ボイスが追加され、完全にCVなしは寂しいけどあまり喋られるとイメージが崩れる……という人も安心。僕もそのタイプなので、かなり有難かったです。
欲を言えばボイスのピッチがいじりたいとか、カラーエディットは過去作の立ち絵にも対応してほしかったとか色々ありますが、十分な自由度だと思います。
■圧倒的なボリューム
とにかく迷宮の数が多く、クリアまでに100時間近くかかるのではないか、というくらいボリュームがあります。RPGの中でもトップクラスのボリューム。
ただし、その内容については残念ながらかなり難があります。詳細はBADで。
■様々なギミック
迷宮に登場する仕掛けは滑る床や動く床、敵を利用して先に進む……などバリエーション豊か。ほぼすべて過去作からの流用なんですが、過去作をプレイしている人はこんなのあったな~と懐かしい気持ちになれますし、今作が初であればそれぞれ新鮮な気持ちで楽しめると思います。
■音楽の良さ
一言で言ってしまうといつもの世界樹BGMです。どことなく神秘的な迷宮の曲、盛り上がる戦闘曲とツボを押さえてあります。
過去作のBGMがアレンジされて流れたりもして、ファンサービスもばっちり。
■快適なシステム
迷宮の移動速度、戦闘速度など欲しくなりそうなオプションは概ね揃っています。
NPCだけ音声を消す設定がほしかったくらいで、あとは特に不満なし。ボリュームがあるゲームだけに、システム面で不満が少ないのは非常に良い。
BAD/REQUEST
■押しつけがましいストーリーとキャラクター
今作の最大の不満点です。
世界樹は危険なところ……のはずなんですが、兵士が調査中だからと冒険者であるプレイヤーたちを立ち入り禁止にしたり、その兵士たちは迷宮の中で同僚の装備を隠すなどという悪戯をして遊んでいたり、緊張感がかけらもありません。
主要キャラクターたちも酷い有様で、考えなしに世界樹に突っ込む王女、いちいち寒いジョークと嫌味ばかり言ってくる酒場のマスターなど、好感を持てるキャラクターは皆無です。
それだけなら百歩譲って我慢するのですが、もの凄く押し付けてくるのです。
NPCの強制同行、片方を選ぶまで先に進ませない選択肢、迷宮を進みたいだけなのに強制的に見せられる痴話喧嘩……とうんざりするほどの押し付けっぷり。
絶対に避けられないイベント&選択肢で、プレイヤーは強制的に鳥肌が立つような気持ち悪いセリフを言わされたことになり、黙々と進めることすら許されません。
君は〇〇してもいいし、しなくてもいい。そんなメッセージでお馴染みの世界樹シリーズですが、本作では違います。
君は〇〇したいと思ってるし、しなければならない。そう押し付けてきます。
シナリオ及びキャラクターは最悪の一言に尽きます。
■お粗末なアドベンチャーエピソード(以下、AE)
AEはそもそも、冒険をしている感を増すために導入された小イベント群……のはずなのですが、その内容は酷いもの。
迷宮で遊んで童心にかえって回復、落ちてた木の実や水を食べたら回復orダメージを受けた、休憩してたら襲われた。ほぼこれで終わります。
あってもなくてもいいような……というより、あってはならない。AEに選択肢はなく、実行するか、しないかです。実行しなかった場合はAEは残り続けますし、実行したら、あとは上記の通りの結果に。
僕は、自分の冒険者たちが突然、迷宮で遊びだすバカであってほしくないのですが、スルーすると経験値はもらえません。経験値のためにイメージの崩壊を強制されます。あんまりな出来なので終盤はスルーしていましたが、できれば、面白いエピソードが見たかったものです。
■霊堂の使いまわしによるボリューム詐欺
今作唯一のオリジナル迷宮、霊堂がいくらなんでも多すぎます。
少し進めるごとに登場し、マップギミックが通常なら壁になっている部分に進めるというものなので広い。しかも他の迷宮よりも階層が多くて長い。
最初のうちは、長いなぁと思いつつも設定的に重要そうなマップですから仕方ないと進めていましたが、二回三回と登場してしかも風景からギミックまで大差がないとなると、流石にうんざりしてきます。
なにより、面白くないのです。ギミックそのものは悪くないと思うのですが、とりあえず壁の部分を歩けようにしただけの、ただの行き止まりみたいな箇所があまりにも多すぎてマップの出来が悪い。
評価点でボリュームの内容について問題があると書きましたが、それがこの霊堂の存在です。プレイ時間のうち1/3くらいをこの霊堂に吸い取られているのです。クリアまでに要する長ければいいってものではない。面白くもないマップを延々歩かされるのはマイナスでしかありません。ただ、霊堂を抜きしてもボリュームのある作品ではありますよ。
■一部の職バランスが悪い
具体的には、ヒーロー及びガンナー、プリンセスの三職が突出しています。
ヒーロー及びガンナーはもう、ただただ他の職よりも強力な攻撃が容易に使えてしまうため、他のアタッカーの上位互換に近い。ヒーローは防御面、ガンナーは搦め手まで充実しているおまけつき。これらの職業を使うと難易度が激減してしまいます。しかしながら、使わなければいいだけの話でもあり、救いようがないほど弱い職はいないので大きな問題ではありません。
問題なのはプリンセス(※正確にはプリンスorプリンセス)で、補助職なのですが代わりがいません。19職もいるのに補助職らしい補助職が1人しかいない、というのはバランス悪いです。加えて、その補助効果も強烈なので、使わないわけにもいかない……ということになりがち。
評価点としてパーティの自由度をあげましたが、こういう入れざるを得ない、入れないことがもう制限プレイのようになってしまう職がいるというのは、初心者救済にしてもちょっとやり過ぎではと思います。
COMMENT
総評しますと、戦闘や探索はそれなりに面白いのですが、ストーリー面が酷すぎて普通くらいの出来です。ストーリー全部スキップする前提なら良作かも。
戦闘についてGOODでもBADでも触れていないのですが、敵の攻撃力の低下&HPの増加という傾向にあるせいで、過去作の一手間違うと即死みたいな緊張感が薄くなり、やや単調な殴り合いに近くなってしまった……のですが、じゃあつまらないのか? というとつまらなくもないので、触れませんでした。良くも悪くも一般的なRPGの戦闘に近づいた、という感じです。
シリーズファンならば、買っても……どうでしょう? あやしいです。積極的におススメはしません。シリーズをプレイしたことない人は、戦闘が一般的なRPGに近づいててとっつきやすそうなのと、過去作の流用部分が新鮮だと思いますので、シリーズファンの方よりはおススメです。
こういう微妙な出来の作品って、普通ならシリーズファンならいいけど新規はやめておけってなるんですが、不思議ですね。
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GOOD!
始めに
〇私は『世界樹の迷宮V』で、初めて世界樹デビューしました。そのため、
1~4作目との比較はせずに本作を評価します。
〇私が選んだ難易度はBasicです。
【オリジナリティ】以下の長所を鑑み、3点とします。
〇本作は、どこか古風なダンジョン型RPGです。システムやストーリーに、誰もが驚嘆するような斬新さはありません。しかし、最近のゲームのトレンドの中では、かえって強い存在感を放っていると思います。
【グラフィックス】以下の長所と、BADの項で挙げる短所を併せて4点とします。
〇私の印象では、リアル志向の高画質なグラフィックではなく、温かみのある絵本調です。この種のゲームのグラフィックとしては、十分な出来栄えだと思います。
〇DLCを活用することで、キャラメイクの際に使えるイラストが膨大になります。誰でも1つか2つは、自分好みのイラストを見つけられそうです。
【音楽】非の打ちどころがないので、迷わず5点をつけます。
〇聴いていて不愉快になる曲が1つもありません。場面ごとの使い方も申し分ないです。
〇腹の底まで響くような重い音と、一度聴いたら忘れられない旋律で、魂を揺さぶってくれます。特に戦闘系の曲では、最初の音を聞いた瞬間に戦意が高揚します。
〇私のお気に入りは、垂水ノ樹海の曲(ダンジョン、ザコ戦、ボス戦)、桜ノ立橋の曲(ダンジョン、ザコ戦)、奈落の霊堂の曲(ザコ戦)です。サントラを是非購入したいです。
【熱中度】単純ながらも奥の深い作品で、時の経過を忘れるほど夢中でプレイできたので、5点とします。
〇作中の世界に散らばったダンジョンの数が、予想以上に多いです。まさか小迷宮まであるとは思いませんでした。(ただ、各ダンジョンの階層は浅めです。階層の深い1つのダンジョンを地道に踏破したい人は、不満を感じるかもしれません)。
〇ダンジョンのマップを描いていると、自分の手で道を切り開いているという実感が湧きます。
〇(難易度やプレイスタイルにもよりますが)ザコ戦からして歯応えがあります。また、条件ドロップも多いので、戦術にも工夫が求められます。
〇ダンジョンでの素材集めが無条件で楽しいです。素材集めの最中にも、時々敵襲があるので、気を抜けません。
〇同じ職業でも、サブクラスやスキルの選び方次第で、まるで違った戦力になります。キャラメイク、育成方針、パーティ編成を考えているだけで、瞬く間に時間が過ぎていきます。
〇ダンジョンのギミック攻略は一筋縄ではいかず、プレイヤーを退屈させません。
〇クリア後のお楽しみも用意されています。
〇プレイヤーが操作するキャラクターは一切自我を持たず、台詞も喋りません。そのため、プレイヤーは自由に想像の翼を広げて、ゲームに没入できます。もちろん共感できないキャラを無理やり操作・育成させられるという苦痛(やらされてる感)も味わうことがないです。これぞまさしくロールプレイングです。
〇すれちがい通信。
【快適さ】終始快適にプレイできたので、5点とします。
〇難易度選択、オートマップのON/OFFなど、様々なタイプのプレイヤーに対して、配慮が行き届いています。
〇容姿変更がいつでもできること。
〇アクション要素が皆無なので、反射神経が鈍い私でも安心してプレイできます。
〇プレイヤーが操作するキャラのボイスをOFFにできること。
〇ダンジョンで中断セーブができること。
〇「追憶の音貝」を装備すれば、ギルドで待機中のキャラにも少し経験値が入ります。
【満足感】本当は5点をつけたいのですが、BADの項で挙げる欠点がどうしても目に付きます。そこで大変心苦しいですが、4点とします。
BAD/REQUEST
【グラフィックス】
本作に登場する各職業のイラストは、古風で素朴なものと新しくて洗練されたものが混在しています。そのせいか、やや統一感に欠けます。せっかくの世界樹最新作なので、各職業のイラストは、洗練されたものに統一してほしかったです。
【ボイス】
〇用意されたボイスの数自体は、男性用も女性用も同じです。ただ、女性用のボイスは全体的に「アニメ声」を思わすものに偏っていて、バリエーションが乏しいです。この点については、不公平感が拭えません。キャラメイクという
長所をさらに生かすためにも、もう少し、大人びて落ち着いた女性用のボイスを増やしてほしかったです。(人によっては、女性用のボイスに特に不満を感じないと思います)。
【ストーリーと人物描写】
〇ストーリー自体は毒にも薬にもならない、単純明快な冒険物語です。ただ本作のNPCには親近感が湧きにくいキャラが何人かいました。(NPCについては評価が分かれそうです)。
↓
・酒場の主人クワシル。あのアクが強い言動は、度を越した悪ノリにしか見えません。殊更に奇をてらって受けを狙っているため、かえって興醒めです。私は1人の女性として、クワシルの言動に不快感を覚えることもありました。
・宿屋の受付係ヴィヴィアン。宿屋で一泊して冒険に出る時に、あの気だるそうな言動を見せられると、戦意を削がれます。「天然系」や「癒し系」を狙っているにしても、やり過ぎです。
・王女ペルセフォネ。ストーリーの展開上仕方ないのかもしれませんが、
中盤以降の存在感が弱すぎます。また、中盤以降の彼女の言動には、首を傾げたくなりました。ペルセフォネの声や口調にも、今一つ魅力を感じません。
次回作がもしあるなら、好みが分かれにくくて何度でも会いたくなるNPCを登場させてほしいです。
〇NPCがダンジョンで出しゃばりすぎです。(人によっては、この点がプラス要素になるかもしれません)。
〇敵側のキャラにもう少し魅力と存在感があれば、ストーリー面の魅力が倍増したと思います。
【ダンジョン】
〇ダンジョンの数が多い点は素直に評価できます。ただ、霊堂系のダンジョンで水増しされているのも事実です。この欠点が本作の足を、かなり引っ張っていると思います。霊堂系のダンジョンでは、曲も景色もギミックも変わりばえがなく、終盤になると食傷気味になります。私としては、やはり変化に富んだ曲や景色、ギミックを楽しみたいです。せめて曲だけは、過去作からの流用でもいいので、1つ1つ違うものにしてほしかったです。
【アドベンチャーエピソード(AE)について】
ダンジョン攻略中に、アドベンチャーエピソード(AE)という小さなイベントを見ると経験値を入手できます。それ自体はありがたいのですが、いかんせん内容が無味乾燥な
上、子供っぽく、何のひねりもありません。もう少し冒険を盛り上げるよう、工夫してほしかったです。
【その他】
〇一部のボス戦で無駄に時間がかかることと、自分好みのパーティが組みにくくなること。
COMMENT
〇色々不満を書き連ねましたが、これも本作に対する思い入れの裏返しです。気が付けばプレイ時間が100時間を超え、十分に元を取れました。エンディングをすべて見終えた時には、名残惜しいという気持ちで胸が一杯になりました。冒険中に味わった緊張感、好奇心、不安感、恐怖心、闘志、達成感…どれも私にとって、かけがえのない思い出になりました。制作陣の皆さま、本当にありがとうございました。3DSでの世界樹シリーズは本作で最後とのことですが、ここで終わってしまっては、余りにも勿体ないです。今後も何らかの形で世界樹シリーズが続くことを、切に願っています。
〇最後に、『世界樹の迷宮クロス』に向いているタイプと不向きなタイプを、私なりに分析してみました。
本作に向いているのは…
↓
・地道な作業に喜びを見出す人。
・自由度の高いキャラメイクを求める人。
・高画質のグラフィックやムービーを期待しない人。
・歯応えがあり、冒険性に特化したRPGを求める人。
・自分で想像を巡らせながら冒険を楽しみたい人。
本作に不向きなのは…
↓
・短時間で手軽に1つのゲームを極めたい人。
・映像重視のゲームを求める人。
・濃密かつ重厚なストーリーで、涙が出るほどの感動を味わいたい人。
・アクション性の強いゲームをプレイしたい人。
・育成やパーティ編成をあれこれ工夫するのが面倒だと思う人。