セブンスドラゴンIII code:VFD
中央値: 64 Amazon点数: 3.8
スコアーボード
標準偏差 11.51 難易度 1.86 mk2レビュー数 7ユーザーレビュー
(デフォルトは中央値近順)オリジナリティ | グラフィックス | 音楽 | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | 難易度 |
---|---|---|---|---|---|---|
3pt | 3pt | 2pt | 3pt | 4pt | 3pt | 2pt |
64pt
GOOD!
・バトル(本編)
今回は3DSということでPSPよりバランスが甘くなっています。ただ緊張感がないのかと言えばそんなこともなく、ドラゴンは相変わらず一撃で瀕死になるような攻撃を飛ばしてきます。現代のRPGらしく特にLv上げをしなくても訂正レベルになりますし、各スキルを1段階しか振っていなかったのですが本編終盤までは特に問題なく攻略できました。
ボスは溜め後の強烈な攻撃と状態異常がキモですので、基本的に一度チャレンジしてから対策して倒す、と言う感じです。
・システム
初代のDS版が世界樹からのスタッフで作られたこともあり、キャラメイクは素晴らしいですね。声優さんは豪華ですし、外見も色違いだけでなく顔も2パターンあるので悩みます。名前、外見、ボイスはあとで代償無く変更可能なのも私のような優柔不断にはありがたいです。
パーティーをどういう組み合わせで組んでも大抵何とかなる自由度で、回復役必須とか、魔法役必須とかもありません。私はシナリオを進めつつ新職業が増えると入れ替えるようにしていたのですが、別段ボスで詰まったりはしませんでした。
また2nd、3rdパーティーを連れ回せることで、控えパーティーが補助をかけてくれたり、敵の強化を解除するというのは出番が増えてよかったですし、新職業が増えたときに個別にレベル上げが面倒で使わない、ということもなく自然と育つのでそこはとてもよかったと思います。
・音楽
ボーカル有りの曲はsasakureさんっぽさが出ていてとてもよかったです。またBADで書きますがBGMはイマイチでした。ただおなじみのSEはとても耳に残っています。
BAD/REQUEST
・バトル(裏ダン)
こちらはちょっと問題です。まず本編クリアレベルでは苦戦必至のドラゴンが雑魚として複数で襲ってきます。ドラゴンなので当然2回攻撃ですし、一撃で半分くらい持っていかれることもありますので、3匹いると全滅が見えてきます。
正攻法ではきついのですが、とある壊れスキルを使うと全体攻撃で一撃で倒せてしまいます。このスキルを使っていると2~3時間でレベルがカンストします。でも使わないとキツイです。どうすればいいんだっ
裏ボスは前作までのようなエグさはまったくなく普通に倒せる感じですが、ただバディがどのくらい決まるかという運ゲーになります。壊れスキルを使ってしまうと、そんなの無視して消し飛ばせますので使わないことをオススメします。
・システム
Goodでほめた3PT制ですが、ユニゾンはやりすぎ感が…。壊れスキルでなくても、奥義やダメージ多めの技を鍛えて補助やExで強化して撃ち込むと、ボスでも一撃で8~9割のHPを削れます。それを9人攻撃できるようにするわけですから言わずもがな。壊れスキル持ちはユニゾンが使えるまでのターンが最小で、全員で壊れスキルを使うと裏ボスでも(発動してから)1ターンで倒せます。
あと小さいことですが、前作ではExゲージを温泉やごゆるりとで溜められたのですが、今作はそれっぽいのが見つからなかったので面倒でした。
・シナリオ
ちょっと雑かな。かなり薄っぺらいです。ナナドラのお約束どおり、主人公がたまたまレアなS級で、ついに現れた!作戦始動だー、となるわけですが、ターミナルでS級の仲間がどんどん作れます。またこれまでの「ドラゴンに滅ぼされかけている」という状況ではないので緊張感がありません。
進行の中で、こんなことしたらこうなっちゃうんじゃない?っていう危惧はその通りになりましたし。あ、あとアイオトさん何してるんですか(謎)
特に不満なのは、起承転結の転で、絶望感のようなものを煽ろうとしているんだとは思いますが、それまであまり接点を深く持てていないキャラに対してされるので肩透かしになっています。もっと一緒に何かを成し遂げていって、とかクエストでもいいからあれば感情移入して違ったのかもしれませんが…。(SKYの面々やネコさんとかはクエストなどで家族との葛藤とか色々な面を見ていたのもあり深く感情移入できていました)
それと転から結が恐ろしく早いです。これも緊迫した状況で一刻も早く、というのを意図しているんだと思いますが、ゲームとして見ると、ようやく盛り上がりかなーと思っていたらいきなり終わりです。転のあたりで納期が来ちゃったのでマンガの打ち切りみたいに一気に終わらせたんじゃないかと勘繰っちゃいます。
・音楽
いま、戦闘音楽を思い出せといわれても思い出せません。それくらいBGMの印象が薄いです。音楽が変わったりしたことは覚えているのですが…。
COMMENT
DS、2020、2020-IIと裏ダンジョンまでクリアしています。今作は本編クリアまで25時間、裏ダンジョンクリアまでで30時間ちょっと位だと思います。
BADが多くなってしまいましたが、RPGとしては及第点は超えていると思います。シナリオ重視の人にはあまりオススメできませんが、気楽な戦闘を楽しみたいという人にやっていただきたいゲームです。
シビアに楽しみたい人は壊れスキルを縛って、ゆるく楽しみたい人は壊れスキル全振りにすれば丁度いいと思います。
Amazonレビュー
レビュー者: とおる レビュー日: 2016-10-16シナリオ、演出、音楽、素晴らしいゲームです。
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GOOD!
・ストーリー
大筋としては素晴らしいストーリーだと思う。
過去2作(セブンスドラゴンとしては3作だが本シリーズとしては過去2作。以後初代と言えば2020の1作目を指す)から上手く引き継ぎ、
比較的うまくまとめて幕を閉じたと思う。
割と大風呂敷というか散らかりまくった伏線もほぼ回収している。
ラスボスの特異なデザインもよく見ると物語のテーマに沿った物がモチーフとして随所に見られ
物語の大筋が非常によく練られているなと感じた。
毎度おなじみクリア後の裏ダンジョンでの伏線を明かすシーンでは、
今回は伏線ではなくやや哲学的な命題の問いかけで〆ていたのも高評価。
前作のように、ここでまたあるキャラクターが出たら噴飯物だったが、そんなこともなかった。
シリーズとしてここで終わりにしても問題ないし、次につなげても問題がなさそうなという意味でもいい終わり方である。
・ゲーム性
何より3人PT*3を実用的なレベルでゲームに落とし込んだのは素晴らしい。
3PTの切り替えはもちろん、あるPTの戦闘中に他の2PTが戦略に組み込めるレベルで割り込むのが非常に楽しい。
またあるPTで戦闘していると、他の2PTはサポート役として参加状態でも成長するので
途中から加入した人員がメインPTと差が開きすぎていてお荷物・戦力まで引き上げるのが手間というありがちな問題も解消されている。
従来シリーズに見られたバフデバフを中心とした独特の戦略性が高い戦闘も
毛色は変わったものの継続しているので戦闘の楽しさは生きている。
相変わらずこのゲームの戦闘以上に戦闘が楽しいRPGは今まで経験したことがないといえるレベルの出来栄え。
ただし重大な瑕疵があるので、後述。
・音楽
もともと本シリーズは魅力的なBGMは多かったが、今作ではインストではなくVoありの曲にも力を入れている。
曲自体の出来や、山場のシーンで効果的に使われているのはもちろん、緊張感や悲壮感のある場にそぐわない明るめの曲をあえて使うことで
より効果的に場面を盛り上げている箇所もあって、素晴らしい。
BAD/REQUEST
・ストーリー
とにかく細かい描写が荒い。大筋がいいだけに非常に残念。
序盤から最後までライバルの見せ場がほぼ皆無で、ひたすら惨め。
登場時のみ強そうで、後はひたすら連敗という某国民的ロボットアニメの赤い人を思い出す酷さ。
中盤ではシリーズ通しての大物を大した理由もなく狂わせて、勝手に悟りを開きだし、置いてけぼり感。
終盤では安直に鬱展開を作ろうとして空虚さが漂う。
本シリーズは暗いシーンが多く、それが魅力的だった為それを踏襲するべくそういったシーンを作ったのだろうが
あまりにも安直すぎて鬱展開ならぬ雑展開である。
初代を例に出していえば序盤から人が死に、その死の前後関係や死に際の心理描写がしっかりとされていた。
シリーズ経験者には山手線の自衛隊員や渋谷でのSKYなどと言えば分かるだろうか。
その為全編を通じて悲壮感や絶望感を表現し、だからこそ山場の盛り上がりは最高潮に達していたが
今作では終盤まではそういった要素は限りなく薄く、終盤に一気に、かつあまりにも雑な描写な為、特に思うところもなく淡々と終わらせてしまった。
前述のキャラクターの雑な使い捨てと合わせて考えると、
物語に収拾を付ける、過去作を踏襲するという意味で大筋を作ったが細かい部分まで余力が回らなかったという印象を強く受けた。
また細かい部分ではいくつかの伏線が回収できていない。
裏ボスはなぜそこにいたのか?序盤と中盤でタイムパラドクスへの考え方が変わって矛盾しているなど、結構深い部分に絡む物もあるので、気になるといえば気になる。
・ゲーム性
全体的に難易度は非常に下がった。ドラゴン戦は戦線崩壊クラスの状態異常が飛び交い、何度か全滅しながら手を変え品を変え対処法を考えて
何とか突破していくようなバランスだった初代から考えると、割と何も考えずにどうにかなってしまうマイルド調整になっている。
一般的なゲームに比べて特段気になるヌルゲーさではないが、戦闘システムの面白さを堪能できる難しさだった初代と比べると格段に難易度が下がったと言えよう。
特記すべき問題は特定スキルのバランス崩壊。
これに尽きる。もともとゲームバランスは根っこの部分では崩壊していたが、いかにしてその糞ゲーに持っていくかという戦略性こそがこのゲームの戦闘の魅力であった。
怒涛の連続行動の手数で押したり、毒をひたすら蓄積させて仕留めたりとそれはいろんな楽しみ方があった。
今作でもそれはできなくはないが、ある2スキルがあまりにも高火力すぎる。
パワーレベリングなしでもボスの体力を前仕込みなしの1撃で3割以上削るとかもザラであり、
ボス以外は中ボスであるドラゴン含めて当然のように1撃で仕留めてしまう。
しかもタチが悪いことに2スキルとも3PTの連携システムと非常に相性がいい。
片方は連携システムが使用可能になるまでの時間が非常に速いクラスが持っているので、戦闘開始からわずかなターンで超絶火力の連続攻撃を実現できる。
もう片方は本来特定のリソースを使って大火力を発揮するのだが、連携システムをトリガーにして発動するとリソースを消費しない為、やはり超火力を連続で使用可能。
純粋にこのゲームならではの戦闘を楽しみたい人は事前に調べて、それらのスキルを縛ることを強く推奨する。
それ以外の面では前作で感じた”連続行動の弱体化”はさらに進められ、怒涛の連続行動は確率的に非現実的となっている。
一方で他クラス間の連携は強く意識されており、毛色は変わったものの戦闘の面白さは健在と書いたのはここにある。
もう一点気になったのは、奥義の壊れ具合である。
奥義というのはゲージを使った必殺技のようなものなのだが、性質上初代から非常に強力な性能となっている。
特に初代はある奥義を連発すると攻略不可能と思われる強さの裏ボスでさえも完封してしまう性能だったりと壊れていた。
前作で多少それらは緩和された…と思ったら、今作は再びひどい壊れ方をしている。
何とあるスキルは超高確率で完封できてしまう。
無論前述の超絶火力との併用が前提だが、さすがに理不尽である。
ラスボスが1回も行動させないまま完封できてしまった時点で思わず縛りプレイでもう1回挑んでしまったが、毎度驚異的な難易度を誇る裏ボスでさえも先攻初手で行動不能にし、微動だにさせず完封してしまった時はあいた口がふさがらなかった。
逆に超火力スキル・特定の奥義を封印すれば裏ダンジョンは厳しい難易度なので救済的側面もあるのかもしれないが、イージーモードが実装されていて、いつでも難易度変更ができる都合やはり純粋な欠点である。
・世界観
初めて初代をやった時は、ダンジョンをはじめとした世界観に圧倒された。
今作ではあまりにも凡庸となってしまった。
竜が居座ると周囲環境が異界化してしまうので、異常な空間となった東京というのが本作のスタート地点だった。
初代ではそれこそ「よく現実の東京からこんなマップを思いついたな」と脱帽できる出来栄えのマップが多かった。
今作ではそれらの要素は使いまわし以外皆無である。
というか、竜による周囲環境の異界化という設定を忘れてはいないだろうか。物語の都合上現実の東京から離れている時間が多いが
それにしてもあまりにも普通なマップになってしまい、初代の感動は完全になくなってしまった。
・グラフィック
いくら3DSとはいえさすがにひどすぎるグラフィック。というか初代・前作のPSP時代よりひどくなっているように感じる。
記念写真を撮るイベントがあるのだが、スーファミと見まごうレベルのグチャグチャで見るに堪えない。
3DSのゲームは余りやらないので、比較対象が多いわけではないが現代のゲームでこれはさすがにひどいと言わざるを得ない。
COMMENT
現代の東京が舞台の本シリーズは全て相当にやりこんだつもり。
初代で大ファンとなり、前作でシナリオから素材まで全てありえないレベルの使いまわしで激怒し
本作は懐疑的だったが、シリーズの一つの区切りとして購入。
ストーリー的には大筋で大満足だが細かい描写が不満。
ゲーム的には新システムの3PT制に大満足だが特定スキルが不満。
世界観的には音楽には大満足だがマップが不満。
初代からそうだがこのゲームは80%の満足と10%の不満と10%の欠陥で出来ている。。
最後までその割合は変わることなく完走しきったなぁ…という感想で長文を終えます。