ヘラクレスの栄光 〜魂の証明〜
中央値: 68 Amazon点数: 3.4
スコアーボード
標準偏差 11.96 難易度 2.21 mk2レビュー数 48ユーザーレビュー
(デフォルトは中央値近順)オリジナリティ | グラフィックス | 音楽 | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | 難易度 |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 3pt | 4pt | 4pt | 4pt | 3pt | 2pt |
75pt
GOOD!
全編でタッチペンのみを使用してプレイした。
・戦闘が圧倒的に楽しい。最大のポイントは、大ダメージを与えて敵を倒すと「オーバーキル」となってMPを回復できること。これにより、強力なスキルや魔法を繰り出してアグレッシブに攻めれば攻めるほど、リソースを削らずにすみ戦いも有利に運ぶという、この上ない爽快さが実現されている。もちろん敵もそれに合わせて歯ごたえのあるものになっているから、雑魚相手であろうと一戦一戦に気が抜けない面白さ。また、魔法を使うには「エーテル」が必要となり、これが足りないと「エーテルリバース」のダメージを受けるため、必要なエーテルをどう調達するか、あるいはリバース覚悟であえて魔法を使うかなど、頭のひねりがいがある。総じて、オーソドックスなRPGにありがちな、どこか作業的な戦闘とは一線を画した出来といえる。
・装備品によるキャラクターカスタマイズ。多くの装備品にはパラメータへの修正値だけでなく、アビリティ・スキル・魔法も付いている。そのため、とにかく新しく手に入れたものを装備していけばいいというわけにはいかない。パラメータをアップさせながら、同時に有用なアビリティ等を網羅するにはどうするか、あれこれ悩むのがとても面白い。
・引き込まれるストーリー。メインとなるのは、シリーズのIIIを思わせる、記憶を失った主人公たちの「自分探し」。その過程で徐々に明かされていく意外な真実に、「ええっ!?」と声をあげて驚いたり、「なるほど、あの伏線がこうつながるのか」と感心したり。特に終盤のとあるシーンでは、「これ、一応ギリシア神話ものだったよな……」とあっけにとられてしまった(褒め言葉である)。エンディングも、語りすぎず余韻を残す感じがよい。
・秀逸な音楽。特によくできているのがボス戦などの緊迫感にあふれた曲で、強敵に挑むプレイヤーのテンションをしっかりと高めてくれる。
・セーブ関連。セーブデータ数は3つ用意されており、ダンジョンの中であっても基本的にはいつでもセーブ可能なのがありがたかった(ただし、悪い所も参照)。また、新しいダンジョンへ入ったときなど、ストーリーの区切りには逐一セーブを促してくれるという親切設計。
・ボリューム。私は買える限りの装備品を買いながら進めていったので50時間近くかかったが、普通にプレイすれば30?40時間といったところか。RPGとして要求される分量は十分以上に満たしている。
・グラフィックに力が入っている。戦闘シーンは、スクリーンショットを見た限りだとちょっと冴えない印象だったのだが、実際のゲームでは非常になめらかな動きが表現できている。イベント部分でも、個々のシーンに合わせて細かいしぐさが用意されていて、その凝り具合に感心した。
・プレイヤーへの不意打ちを避ける工夫。ダンジョン内のボスのいる部屋は、床のしみでそれとなくわかるようになっていたり、イベント戦闘の前にはメニューが開くようになっているため、準備不足のままいきなり戦闘に放り込まれる心配はない。また、ボス戦では一定ダメージを与えるたびに、仲間が「着実に効いてますよ」などと教えてくれるので、スキルや魔法のペース配分もやりやすい。
BAD/REQUEST
・戦闘のテンポには改善の余地あり。キャラクターのモーション自体はそれほど冗長とは感じられないし、魔法の演出も設定で「ショート版」を選べば適度な長さにはなる。しかし、魔法による全体攻撃の際にわざわざ1体ごとにダメージを表示したり、ターン終了時のHP・MP回復でも同様に1体ずつ表示したりするのはどうにかならなかったものか。戦闘自体は非常に面白いだけに、この欠点は心底惜しまれる。
・魔法・スキル使用時の、必然性が感じられないタッチペンアクション。「おまかせ」にしても十分な威力が発揮できるようになっていたため、私は常時「おまかせ」で通したが、それなら最初から実装しなくてもよかったのでは、と感じる。また、スキルや魔法を使うたびにいちいち「おまかせ」を選ぶのは面倒なので、オプションで「常におまかせ」に設定できるとよかった。
・メインストーリー以外の希薄さ。街の通りや家の中は人気がなく、数少ない住人たちのメッセージにも、面白みのあるものは見かけられなかった。サブイベント的なものも皆無に等しい。そのため、街の中をあちこち探索したり、話を聞いて回ったりしても張り合いがない。
・ダンジョンのシンプルさ。全般的に規模は小さめかつ構造も単純で、仕掛けもそれほど凝ったものは見受けられない。今いる階層のマップは最初から上画面にすべて表示されており、便利といえば便利なのだが、手探りで歩きまわる楽しさは失われている。また、終盤では似たような内装のものばかりになってしまうのも残念だった。
・アイテム所持数の制限。数多くの装備品が登場するのはうれしいが、その量に比べて所持可能数が圧倒的に少ないため、新しいアイテムを手に入れるたびに古いものを処分していかなければならない。「これについているアビリティがあとで有用になったら?」「これが鍛冶屋で強化できたら?」と考えてしまい、なかなか踏ん切りがつかなくて困った。
・途中で1度だけ、かなり長い間セーブ不可能なタイミングがあること。私のプレイではセーブ可能になるまで2時間弱かかった。一応セーブさせないストーリー的必然性はあるにしても、せめて区切りの部分ではセーブできるようにすべきだったろう。
・仲間の日記や主人公のかけ声エディットといった、シリーズならではの要素の削除。特に前者は、ストーリーを補完しつつ仲間の内面をより深く知ることができるという面白いシステムだっただけに、本作でも残してほしかった。
・一枚絵が妙にチープだったり、言葉の意味がおかしかったり、キャラクターにそぐわない「ら抜き言葉」が使われていたりすることがある。いずれもシリアスで重要なシーンでのこと。せっかくの雰囲気が損なわれてしまっており、もったいない。
・一度ゲームを進めてしまうと前の場所へは戻れないこと。そのため、買い逃したショップアイテムを後から戻って入手する、などということはできなくなってしまっている。
COMMENT
スーパーファミコンや初代プレイステーションの時代を思わせる、どこかクラシカルな雰囲気の漂うRPG。昨今のゲームのような華やかさとは無縁の作品だが、そういったテイストにいまいち馴染めなかった人間としては、久々に居場所を見つけられたような安堵感がある。
もともとはストーリー目当てで、他の部分にはあまり期待せずに購入したため、戦闘の充実ぶりはうれしい誤算だった。したがって、シミュレーションRPGのようにあれこれと頭をひねって戦いを繰り広げるのが好きで、多少テンポが悪くても気にならない人に向いているゲームといえる。一方、戦闘にはあまり興味がなくて物語を味わうことが最優先という人には、(ストーリー自体はよくできているのだが)あまりお薦めできない。
最近では、かつての人気シリーズが鳴り物入りで復活したものの、結果として期待に十分こたえられず、ファンから失望の声があがるという事例がいくつか存在している。14年ぶりのシリーズ新作となった本作が、不満点は多々あるにせよ、きちんとシリーズとしての「らしさ」を保ちつつ、新しい試みも盛り込んだ良作に仕上がっていたのは喜ばしいことだった。
余談。制作スタッフの関連か、作中に「どきどきポヤッチオ」ネタが仕込まれていたのには、思わずニヤリとしてしまった。DSで新作かリメイクでも出ないかな、と淡い期待を抱いていたりする。
Amazonレビュー
レビュー者: rts初心者(購入済みレビュアー) レビュー日: 2014-09-14過去名作と比較すると、上には上があると思うのですが
このDS版ヘラクレスも要所要所では素晴らしく
またキャラクターの死が過剰に演出されていない点も良かったです
戦闘がタルいという欠点があるにしても、タンスからモノを一切盗まなければ、追加効果が出やすいので、テンポがそこまで悪いとは感じないと思います。が、タンスからモノを盗んで幸運度(マスクされてるパラメータ)が下がれば、武器防具のアビリティ効果が全然出ないので、ザコ敵が硬すぎて辛いと思います。海の戦闘で、主人公の1人が言う「ザコ敵にこんなに苦戦してるのに、ボス的倒せるかなあ?」というセリフが印象に残るくらいです。
自分的に好きなシーンは、「ミレトスの富豪」「アトラシアのイピクレス」「冥界中心部の主人公たちのセリフ」です。
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GOOD!
○ストーリー
シリーズで繋がりはないが、相変わらず「らしい」設定。そしてその上に出来上がったものといえば、最高と言っても過言ではないと思う。序盤の軽快なノリ、中盤からの盛り上がり方と伏線の張り方、終盤の怒涛の展開。先が気になってどんどん進めてしまいたくなる。泣いたり笑ったり、また泣きそうになったら、笑ってみる。どのキャラクターも魅力的だ。
1つ1つのイベントは短く、多くは語らない。明るくて小気味のよい、ちょっとしたやり取りでしかない。しかしそれがじわじわ来る。一見楽しそうなだけの掛け合いの重みに気付いたとき、二度目の感動を味わえると思う。
○音楽
シリーズファンには懐かしく思わず感極まるような曲も用意しつつ、使いまわしに頼らず質の高い音楽。戦闘曲やフィールド曲が頻繁に変わり、更にどれもとてもよいので長い戦闘やフィールドでも飽きが来ない。メインテーマの使い方なども秀逸。
○グラフィック
リアルだったり美麗なものを求める人には物足りないと思うが、昔ながらの平面絵で非常に可愛らしく、動きがコミカルで細かい。見ていて楽しい。
○戦闘
面白い。弱点や、行動順を考えてのエーテル調整やオーバーキルなど。装備品も豊富で、単純に強ければいいということではないためとても迷う。序盤の装備を最後まで使い続けることも。
ただし1回1回が密度の濃い戦闘なので結構疲れる。が、確実にエンカウントを0にできるアイテムがあるので時々それを使うとぐっと楽になる。普通に使っている分にはレベルが低くて苦労するなんてこともない。
BAD/REQUEST
×快適さ
エフェクトが長いが、それ自体は慣れればそこまで気にならない。それよりもダメージ等を1人1人表示させるのがきつい。ターン終了時の回復や全体魔法食らったときなど、ただでさえ長いのに、そこに必須ともいうべき回復・防御系アビリティをつけているとその発動時間も加わってとにかく時間が掛かる掛かる。戦闘時以外でも宿屋での回復なども一人ずつである。
タッチペンでの強化も、物によっては結構楽しめたりするのだが全体的に面倒。
移動が十字キーだと不便。タッチペンの方が使いやすい。ペン操作にさえ慣れれば移動はまあまあ快適。フィールドだけは遅すぎるが…
×その他
一度シナリオが進んでしまったら前の場所には戻れなくなってしまう。展開上仕方ない部分もあったり、アイテム関係以外では戻らなきゃいけない理由も別にないのだが、自由に移動ができたならばその方がよかった。
COMMENT
多少クセがあるので誰にでもオススメできる作品ではないが、個人的にはかなりの名作。とにかくRPGにこんなに熱中し、感動し、考えさせられたのは久しぶりだった。良くも悪くも昔ながらの王道RPGといった感じだ。好みは分かれるが、じっくりやるのが好きな人は楽しめるかもしれない。SFC時代のRPGが好きだった人には是非勧めたいゲーム。