探偵・癸生川探偵事件譚 仮面幻影殺人事件
中央値: 70 Amazon点数: 3.5
スコアーボード
標準偏差 16.01 難易度 1.84 mk2レビュー数 75ユーザーレビュー
(デフォルトは中央値近順)オリジナリティ | グラフィックス | 音楽 | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | 難易度 |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 2pt | 4pt | 4pt | 1pt | 3pt | 2pt |
58pt
GOOD!
・今まで発売されていたDSゲームの中ではうまく2画面を使っていること。
・途中までのストーリーは普通にエンターテイメントしててよかった。
・コマンド総当たりで根気さえあれば誰でもクリアできる点。
・キャラデザにあまりアクがない点。
・ゲームの中でゲームができる点。
・音楽は結構いい。
・このシリーズの売りである最後のどんでん返し。
BAD/REQUEST
言うときりがありません。
・2画面の使い方はうまいと思ったが、タッチパネルの使い方はいまいちに思えた。
・セーブがひとつだけ。
・MOの画面はもうちょっとどうにかならなかったものか…。
ゲームの中のゲームという点で、あまりにリアル(美しく)にすると
通常のゲーム画面との差別化がなくなるからああいう描き方にしたのかもしれないけど、
いくらなんでもこれはちょっと手抜きでは…。
・キャラデザには大したアクはないが、キャラそのものにはアクが強すぎること。
少々狙いすぎでは。言葉遣いが突飛すぎて引いてしまう人もいると思う。
・探偵癸生川のキャラが明らかに探偵榎木津の完全パクりであること。
(知らない方は京極堂シリーズで検索してみてください)
・悪い意味でもコマンド総当たりで根気さえあれば誰でもクリアできる点。
・後半、伏線を収束させるために強引に話を進めすぎていること。
強引につじつまを合わせようと詰め込みすぎになってる所が×。
・いくつかの伏線が処理されずに放り投げ出されていること。
・全体的にそうなのだが、特に終盤が読まされるだけの展開で、こちらの意志が介在できない点。
制作者の意図通りにゲームを”やらされてる”感が強く、
ゲームを”やってる”という気分になれない。
よって、自分の手でクリアしたぜ!という爽快感・カタルシスを得られない。
このゲームはゲームというより絵付き小説と思った方がよい。(ただし値段が高いが)
・他の方も書いてたが、このゲームは”推理”ゲームではない。単なる記憶ゲーム。
推理する必要がない。
時々される質問も、”これまでの文章をちゃんと読んでただろうな?”という記憶確認のみ。
・これも他の方が書いてるが、最後で自分の推理を全否定されるので、
前述した爽快感がまるで得られないこと。
自分が今までやってきたことはなんだったの?っていう気分になる。
良質のミステリゲームは大筋はユーザーに推理させ、推理欲をある程度満足させ、
推理する必要のない所においておまけ的な部分でどんでん返しを用意するのが普通。
なにからなにまで否定されると、生まれるのは爽快感どころか不快感の方。
この点、悪い意味でもどんでん返しだと思う。
このゲーム全体にいえることに、制作者がユーザーに対し自分の意図を押しつけすぎるきらいがある。
制作者はゲームはユーザーがやるもの、という原点に戻るべし。
・最初の事件のトリックに無理があること。
特に犯人が被害者を○○に誘導する方法に無理がありすぎる。
○○○パソコンを持ってる人なら誰でもわかると思うが、
あの条件下で○○○パソコンの画面がどうなるかなんて誰にでもわかること。
だったら被害者はあんなものにのるわけがない。
散々トリック性を臭わせていた割には、酷い結末(トリック)だった。
開いた口が塞がらない。
・脚本家の生王(いくるみ)氏の高圧的で、その割に酷い暴論を押しつけられること。
これのせいで終盤一気に不快になってしまった。
・散々「犯罪とは何か」という押しつけがましい意見が随所に出てくる割に、
肝心の犯人のキャラがグダグダにされて終わっていること。
それらの思想を垂れ流すなら、犯人のキャラをしっかり作って
結末(ケジメ)をきっちりつけさせなきゃならんのに、
脚本家が犯人のキャラを曖昧にしたまますべてを放り投げてサジを投げた感じ。
こんないい加減な結末を迎えさせるのなら、最初から問題提起なんてしないでほしかった。
COMMENT
ストーリーの点数が低いのは全体的に酷いからというわけではなく、
あまりに一部と終盤が酷すぎたため。
途中までは複雑に絡み合う伏線に良質なエンターテイメントを提供していたことを付け加えておきたい。
まず言いたいのは”ゲームプレイができない”という点。
この点に関して多くのユーザーが寛大すぎやしないか。
ユーザーの評価なんてのはとってつけたようなゲーム性であり、評価には値しない。
自分のストーリーを読ませるだけなら、それは小説でも映画でもドラマでもできる。
だが、ゲームは”能動的にその世界に参加できる”というほかのメディアにはない最大のアドバンテージがある。
この他にはない素晴らしい可能性を自ら捨てるなんて、
ゲームを作ってる人間としての自覚が足りないのではないか。
よほど素晴らしいストーリーであればまだ目を瞑ってもいいが、
残念ながらこのゲームのストーリーはそれだけのストーリーではなかった。
とかく、世間で成功した者や小説家や漫画家などの表現者は、
「自分は世間に向かって偉そうに物を言える資格がある」と勘違いして
一方的に読者やユーザーを見下したような意見を言いがちだが、
生王氏も漏れずにその例に当てはまるようだ。
考え方が一面的で軽薄な意見しか言えないのに、
それを「どうせお前らこんなことも知らないんだろ?」と言わんばかりに高圧的に押しつけてくるが、
「もしユーザー側が脚本家よりも頭が良い場合」という想定が彼には存在しないようです。
終盤の探偵の暴論には開いた口が塞がりませんでした。
あまりにも犯罪に関する物の見方が一面的過ぎる。
殺人とは快楽性で行われるものだったり、
自己中心的な理由や逆恨み等によって行われるものは例外であるが、
多くの殺人は”普段は理性のある人間”が行うものである。
その理性は外的要因によって覆され、何かのきっかけで実行されるが、
そこには人間としての弱さが要因となる。
その弱さの部分を考察せずに犯罪を言及したところで、犯罪のなんたるかなど見えてくるわけがない。
すべての人間が強いわけでも弱いわけでもないのだ。
それを行わずに”やるやつはやるんだよ。理由なんて知ったことか”などと嘯いた所でまったく説得力などあるはずがない。
生王氏は自分が犯罪者ではない立場を利用して、
この世を綺麗な人間と汚い人間という単純な二分化をはかりたいようだ。
生王氏のやったことは犯罪を語ったのではなく、自分が綺麗な立場にいることを利用して
「俺らはお前らみたいな汚い人間とは違うんだ。どうだ俺は綺麗な人間だろ?」という個人的な悦をアピールしただけのオナニーでしかない。
この暴論のせいで不快な気持ちでゲームを終えることになった。
本来、ゲームとは楽しさを与えるものではないのか。
とある漫画の編集者が漫画家にこんな感じの事をいったそうだ。
「漫画の中で説教を説教として語ってはいけない。読者に直接的に説教しても反感をくらうだけだ。読者に何かを言いたいのであれば、ストーリーの中で自然とそれが伝わるように描かなければならない」
まさに正論である。
ゲームはエンターテイメントであり、自分の説教を披露する場ではないことを理解するべきだし、
脚本家はこの原点にたちかえるべきである。
いままでこのシリーズが好きだった故に今回はかなり幻滅した。
もし続編が出るのであれば、”ユーザーを楽しませる”という基本に立ち返ったゲームを作って欲しい。
そしてそれが出来た際には喜んで喝采を送りたい。
Amazonレビュー
レビュー者: 醍醐 レビュー日: 2008-07-10ただ、アプリを遊んでいないとゲーム中にアプリ版に出た事件の話だったりキャラクタだったりがでてきたりするので全くアプリを遊んでなくてDSから初めて遊び始めましたって人には少しさびしい感じがしました。
アプリ版を遊べない人のためにDSでアプリ版集を出したりしてくれると嬉しかったんですけど。
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GOOD!
「二画面を使った演出」です。
ゲーム中、パソコンでオンラインゲームをプレイする場面があり、それが物語に深くかかわってくるのですが、その際DSの上画面がパソコンのモニタ、下画面がゲーム上の現実という風に別々に表示されます。
いわゆる「作中作」の概念を視覚的にこれほど具体化した例を、私は知りません。
ストーリーの多層構造を物理的に表現できる、ということを現実化した本作は、プレイヤーの没入度や、叙述トリックの開拓などの可能性を示した点で、アドベンチャーゲームというジャンルのマイルストーンとなるかもしれません(大げさかも?)
同時に、「二画面」というハードの特性が、アドベンチャーゲームにおいてDSを飛躍的に優位に立たせるかもしれない、という期待を持たせてくれたことは、一ユーザーとして、また、一アドベンチャーゲームファンとして、喜ばしいことだと思います。
もうひとつ、アドベンチャーゲームとしてのシステム面(メッセージスピード調節、バックログ表示、操作メモ等)雰囲気を盛り上げる音楽といった、基礎的な部分への配慮が行き届いていたのにも感心しました。
BAD/REQUEST
「推理部分の食い足りなさ」です。
このゲームの推理は、節目ごとに、選択肢が提示され、正しいと思うものを選ぶことで進むのですが、そのほとんどがプレイヤーとともに行動する「伊綱」というキャラクタによるテストのような形式になっています。
雑に書くとこんな感じで・・・
伊綱「この事件の被害者は誰ですか?」
プレイヤー「○○(氏名を選ぶ)」
伊綱「○○が××したのは何故でしょう?」
プレイヤー「??だから(理由を選ぶ)」
伊綱「さすが、よく理解してますね」
とこんな雰囲気です。
要は、それまでの事件の経緯をプレイヤーが理解しているかどうかの確認作業になってしまっているので、たとえば「逆転裁判」のように、自分で謎を解いているかのような快感やカタルシスは得にくいシステムになっているのです。
それとこの作品、いわゆる新本格ミステリの影響を如実に受けていると思われる点が節々に出てくるのですが、キャラクター、一部のトリック、設定やセリフ等々、「あれはあの作品のあの人じゃないか」というように、ネタとして持ってくるにしてもあまりにそのままなものが随分ありました。オリジナリティ面で、マイナスとしました。
COMMENT
先行作品の「アナザーコード」が、ハードの特性本位で物語を無理に乗せて、結果的に凡庸な作品になってしまったことに比べ、オーソドックスなアドベンチャーゲームながら、ハードの特性を演出として活かしていた、つまり作品本位でハードを利用した本作は、逆にDSの魅力を引き出すことに成功したと思います。
某ゲーム誌では、ストーリーの生々しさ、重さが随分と強調され、評価は今ひとつでしたが、普通に考えて、ミステリとしては当たり前の範囲内ですから、その点での過度の心配はしなくていいと思います。(もちろん、この点の合う合わないは個人差ですが)
DSユーザーで、アドベンチャー好きなら、迷わずおすすめできる作品です。